2019年4月24日(水)
社会保障改悪迫る
75歳以上医療「原則2割に」
財政審分科会
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は23日の分科会で社会保障「改革」を議論し、安倍政権が参院選が終わるまで争点化を避けようとしている国民負担増・給付減について、75歳以上の患者窓口負担の引き上げなど速やかな実施をとハッパをかけました。近く建議をまとめて政府に提出し、意見を反映させる狙いです。
安倍政権は参院選をやり過ごした後に社会保障改悪を具体化する計画です。それに対し、財務省は分科会で改めて▽「小さなリスクは自助」で解決しろと言う少額受診者への追加負担や要介護1、2の人の生活援助の保険給付外し▽「効率的な提供」と称した病床削減▽「負担の公平化」を口実にした、75歳以上の後期高齢者の患者窓口負担を原則2割にアップ、介護保険の利用者負担2割へ段階的引き上げ―などの「改革案」を示しました。
財界メンバーが名を連ねる委員からは、「優先順位として後期高齢者の負担引き上げを早く実施すべきだ」「お年寄りにもう少し頑張ってもらえないか」「負担増は社会貢献の意味もある」との発言が続出。富裕層や大企業への優遇税制の見直しで“貢献”しようとはせず、高齢者をさらなる生活苦に突き落とそうとしています。
財務省は、60歳から70歳の間で自由に選べる公的年金の受給開始年齢について、70歳以降から受け取れるようにする見直しも提起。安倍政権が議論を先行させている高齢者の雇用拡大と合わせ、社会保障費の抑制ありきで“生活費は自分で賄え”というものですが、低年金・低賃金は放置したままです。