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2019年4月24日(水)

主張

5・3憲法集会へ

改憲阻止・内閣打倒の跳躍台に

 来月3日の憲法記念日に、「平和といのちと人権を! 5・3憲法集会2019 ―許すな!安倍改憲発議―」が、有明・東京臨海防災公園で開かれます。日本国憲法が1947年に施行されて72年にあたり、安倍晋三政権による改憲策動に抗して、憲法を守り生かそうと開かれるもので、全国各地でもこの日を中心に、多彩な催しが行われます。

「ワイルド」発言まで

 安倍首相は、一昨年の憲法記念日に、憲法9条に自衛隊を書き込むなどの明文改憲を持ち出しました。首相は昨年、国会の憲法審査会に自民党案を提示し、改憲発議に向けた動きを加速しようと企てましたが、市民と野党の反対で失敗しました。それでも決して断念しません。

 首相側近の萩生田光一自民党幹事長代行が先週18日、インターネット番組で、今国会で一度も開かれていない衆参の憲法審査会について、「(天皇の)ご譲位が終わって新しい時代になったら、少しワイルドな憲法審査を進めていかないといけない」と述べ、批判を浴びました。その後“陳謝”したものの、改憲強行の本音の表れです。

 安倍首相は今国会の冒頭でも、「平成の、その先の時代に向かって」という言葉を繰り返した上で、憲法審査会での「各党の議論」を要求しました。天皇代替わりの政治利用であり、首相などに求められる憲法尊重・擁護の義務も三権分立の原則も踏みにじる、許しがたい態度です。

 自民党が昨年まとめた、「改憲4項目」の条文素案は、戦争放棄・戦力不保持・交戦権の否認を定めた現行憲法9条の後に、「9条の2」を新設し、「内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」と書き込むことを盛り込んでいます。憲法に自衛隊を書き込めば、9条の戦力不保持や交戦権否認の規定が空文化・死文化し、自衛隊が大手を振って、海外での戦争に参加することになるのは明らかです。

 自民党は改憲のために、衆院小選挙区支部ごとに推進本部を設置し、ビラや資料を作成・配布するなど、改憲に向けた世論づくりに懸命です。

 自民党は統一地方選の政策パンフで、「時代の転換期にある今、憲法改正に向けて、国民的な議論を盛り上げ、取組みを更に強めます」とうたいました。財界団体の、経済同友会も18日発表した憲法問題委員会の報告書で「我々は大局観をもって新しい時代の憲法のあり方を積極的に議論すべきである」と主張します。

 相次ぐ暴言・失言で更迭された桜田義孝五輪担当相(当時)が、自民党が改憲のために千葉県内で開いた集会で、「何とか安倍内閣の下で憲法改正をしたい。せめて9条への自衛隊明記だけは実施したい」と発言(3月24日)したのも、改憲への異常な執念の表れです。

改憲「反対」が過半数

 共同通信の最近の世論調査では、安倍首相の下での改憲に「反対」が54%です(「東京」11日付など)。国民が望まぬ改憲を押し付けるのは、立憲主義破壊の極みです。

 3000万人署名の取り組みをさらに強めるとともに、5・3憲法集会や各地の催しを成功させましょう。市民と野党が力を合わせ、改憲反対と安倍政権退陣への世論と運動を広げましょう。


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