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2019年4月23日(火)

“沖縄の真価 参院選でも”

屋良氏大勝利に決意 3区補選

「新基地推進の安倍政権倒す」

 21日投開票の衆院沖縄3区補選で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設ストップを目指す「オール沖縄」の候補として勝利した屋良朝博(やら・ともひろ)氏は22日、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前の新基地建設に抗議するためのテントの訪問などを行い、決意を語りました。抗議行動の参加者は「参院選で暴走を重ねる安倍政権を止めよう。必ず安倍政権を倒そう」と誓い合いました。


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(写真)屋良朝博氏(手前左)の勝利を喜び合う支援者ら=22日、沖縄県名護市辺野古

 沖縄市・コザ十字路での早朝宣伝に屋良氏が立つと、行き交う車からの手を振っての声援や、握手に駆け寄る歩行者など、声援が相次ぎました。

ゲート前では拍手と歓声が

 辺野古のテント訪問に先立って、屋良氏は自宅で報道陣の質問に答えました。

 その中で屋良氏は、米軍再編によって規模が縮小される米海兵隊のために新基地を辺野古に造ることに固執し、沖縄に基地負担を押し付け続けることが「安全保障」「抑止」だとする政府の考え方を厳しく批判しました。

 屋良氏は「意識を変えていかないといけない。どうやって沖縄の置かれた理不尽な状況を変えていくのか、丁寧に説明していけば、人の意識は変わっていくだろうと思う」と語り、訪米や米国の人脈を駆使して取り組む意向を示しました。

 キャンプ・シュワブゲート前のテントで、拍手と歓声で迎えられた屋良氏は「みなさんの気持ちを国会へもっていきます。必ず私たちが勝利をつかむまで頑張ります」と、新基地建設阻止を目指す決意を述べました。

 この日もダンプカーなどが次々にゲート内に進入。屋良氏は「いまの状況はあまりにもひどすぎる」と憤り、「やはり辺野古は原点だ。みんなの気持ちが一つに集まっている。沖縄は絶対に負けない」と力を込めました。

 選対副本部長を務めた山内末子県議も駆け付け「正義は沖縄にあり、この国を動かす民主主義の力は沖縄にある」と訴えました。

 屋良氏と支援者はともに「カチャーシー(手踊り)」をしながら勝利を祝福。長年座り込みを続けている島袋文子さんは「屋良さんおめでとう。私も基地がなくなるまでたたかう。頑張っていこう」と語りました。

 座り込みに参加した八重瀬町在住の沖本富貴子さんは、「辺野古新基地推進を掲げる相手候補に負けるわけにはいかなかった」と選挙戦を振り返り、「安倍政権が相手でも決して負けないとさらに自信をもてた。沖縄の真価を発揮し、安倍政権が倒れるまでたたかい続ける」と述べました。

 「昨日の勝利で、たたかう意欲があらためて湧き上がってきた」と笑顔を見せた沖縄県統一連の瀬長和男事務局長は「全国で野党の統一した力でたたかいを進めるため、沖縄の結果が全国に広がることを期待する。参院選では『オール沖縄』の力でまた勝ち抜きたい」と述べました。

 瀬長氏は、民意を無視して無法な新基地建設の工事を続ける安倍政権に対し、こう力を込めました。「沖縄は何度でも声を上げる。県民をあきらめさせようと工事を続けていると思いますが、改めて沖縄の不屈のたたかいが証明された。これからも不屈にたたかい続けるだけです」―。

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(写真)投票日翌日の早朝の宣伝で歩行者と握手する屋良朝博氏=22日、沖縄県沖縄市

全ての年代で相手を上回る

 安倍政権丸抱え、新基地建設推進を公言する自民党公認候補(公明党、日本維新の会推薦)の島尻安伊子・元沖縄北方担当相と一騎打ちだった、デニー県政を支える立場のオール沖縄の屋良氏。21日の投票箱が閉まる午後8時になったと同時にNHKが屋良氏の当選確実を報道。結果は1万7728票差をつける大勝利でした。

 琉球新報の出口調査によると、無党派層の76・2%が屋良氏に投票し、自民党支持者の2割近く、公明の約3割、維新の6割超も屋良氏に流れました。年代別では全ての年代で、相手の島尻氏を上回りました。

 同3区内の14市町村のうち、8市町村で屋良氏は島尻氏を上回りました。辺野古がある名護市では、屋良氏が1万2497票を獲得し、島尻氏に2388票の差をつけました。

 島尻氏は21日の屋良氏の当確後、新基地建設推進などを選挙戦で訴えたことについて「間違っていなかった」と発言。沖縄県民の民意に反する居直りの姿勢を示しました。

 「日米へ民意突きつけ」「『新基地ノー』強固に」―。地元紙の琉球新報や沖縄タイムスは22日付で、補選の結果をこのような見出しで報じています。

 琉球新報の社説は「政府は選挙結果を尊重し、新基地建設を速やかに断念すべきだ。ここまで再三再四、民意が示されている以上、県内移設を伴わない普天間飛行場の返還に大きくかじを切る以外に道はない」と強調。「選挙結果は玉城知事に対する信任とも言える。自信を持って政府との交渉に当たってほしい」としています。

 「政権のおごりの結果だ」と題する沖縄タイムスの社説は「昨年の知事選がそうであったように、今回の選挙も『新しい政治の始まり』を予感させる」と述べ、「安倍政権は、一連の選挙で示された『沖縄の民意』に真摯(しんし)に向き合うべきである」と訴えています。


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