2019年4月14日(日)
犠牲者の名刻み 誓う
笹子トンネル崩落事故 追悼碑の除幕式
2012年12月に男女9人が亡くなった笹子トンネル(山梨県・中央道)の天井板崩落事故で、犠牲者を追悼する「慰霊碑」が現場近くの2カ所に完成し、除幕式が13日、行われました。
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碑は、「(事故を防ぐ上で)適切な点検をすべき注意義務を怠った」として、民事訴訟で過失責任を認定されたトンネル管理会社の中日本高速道路が建立。事故の風化・再発の防止や高速道路の安全性向上などに向けた「誓い」とともに、9人の名が刻まれました。
式には遺族ら39人のほか同社の関係者が出席し、黙とう後、除幕された碑に花を手向けました。
遺族の代表で小林寿男さん(72)=群馬県高崎市=が、息子の洋平さん(当時27歳)に生前、譲る約束を交わしていたというサックスで、カッチーニの「アヴェ・マリア」を演奏しました。
松本玲さん(当時28歳)の父、邦夫さん(68)=兵庫県芦屋市=は、当初、「落下事故」とされていた中日本側の碑文案について、「一般の人にも悲惨さが伝わるように」との遺族の要望で「崩落事故」に反映されたと指摘。「中日本は今まで裁判などに影響があるからと、内部調査した事故原因に関して何もわれわれに説明してこなかった」とのべ、今後の裁判などで明らかになる事実を真摯(しんし)に伝える取り組みが、インフラ老朽化による事故の再発防止に欠かせないと強調しました。
石川友梨さん(当時28歳)の父、信一さん(69)=神奈川県横須賀市=も「私たち遺族が望む、なぜ(天井板が)落ちてしまったのか、回答が得られないまま今日に至っております」と語りました。