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2019年4月13日(土)

主張

閣僚ら相次ぎ辞任

安倍政権のおごりが極まった

 安倍晋三政権の国土交通副大臣だった塚田一郎参院議員が、「下関北九州道路」(下北道路)の建設をめぐり、安倍首相や麻生太郎副総理の意向を“忖度(そんたく)”したと発言して辞任したのに続いて、桜田義孝五輪担当相が、自民党の高橋比奈子衆院議員のパーティーで、「(東日本大震災からの)復興以上に大事なのは高橋さん」と発言して、事実上、更迭されました。

 相次ぐ閣僚らの辞任は、政権のおごり、ゆるみ・たるみを示しています。これまでも暴言・失言を重ねてきた桜田氏の辞任は遅すぎます。重大なのは、任命権者である安倍首相の責任です。

後絶たぬ暴言、不祥事

 桜田氏は、五輪担当相なのに、「五輪憲章を読んでいない」とのべ、競泳の池江璃花子選手の白血病公表に「がっかりしている」と、人として許されない言葉を発するなど、その言動はたびたび批判されてきました。閣僚どころか国会議員としての資質も、疑問が突き付けられるものです。

 今回の「(震災からの)復興以上に大事なのは高橋さん」という発言も、被災者の気持ちを傷付ける、とんでもない暴言です。発言から2時間足らずで「更迭」されましたが、これまで桜田氏をかばい、続投させてきた安倍首相の責任が問われます。

 安倍政権が発足してからの、問題閣僚・副大臣らの辞任は後を絶ちません。

 第2次政権発足(2012年)後だけでも、昨年1月には、松本文明・内閣府副大臣が、沖縄で相次ぐ米軍ヘリの事故をただした日本共産党議員の国会質問中に、「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばし、辞任しました。それ以前にも、今村雅弘復興担当相が、東日本大震災が「まだ東北でよかった」と発言し、辞任しています。稲田朋美防衛相も、自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣時の「日報」隠しなどを批判されて、辞任しました。

 「政治とカネ」をめぐる問題では、小渕優子経済産業相、松島みどり法相や、西川公也農水相、甘利明経済再生担当相などの辞任もありました。

 言うまでもなく、閣僚や副大臣らの任命権者は首相です。

 その首相自身、国有地が不当な安値で売却された「森友学園」疑惑や、理事長が首相の親友の「加計学園」の獣医学部開設への関与をめぐる疑惑で、国民の批判を無視して、居座っています。

 財務省の公文書隠ぺい・改ざんや、事務次官のセクハラ問題で批判された麻生副総理・財務相も、責任を不問にしたままです。麻生氏には、独裁者・ヒトラーを評価する暴言で国際問題にまでなった過去もあります。

首相自身に重大な責任

 安倍政権の閣僚らによる暴言・失言や不祥事が続発するのは、首相が自らの疑惑にふたをして、説明責任も政治責任も取ろうとしていないことと無関係ではありません。安倍首相がやるべきは、自身の疑惑を明らかにしたうえで、責任を取って職を辞すことです。

 国会での多数議席にあぐらをかき、閣僚らの「ポスト」をたらい回しする、ごう慢でゆるみきった政治はもう許せません。大阪12区・沖縄3区の衆院補選や統一地方選、参院選での、国民の厳しい審判が不可欠です。


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