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2019年4月4日(木)

2019統一地方選

安倍政権の推進路線は破綻

原発ゼロの日本へ

 原発輸出の総崩れなど安倍政権の原発推進路線はさまざまな面で破綻に陥っています。統一地方選とそれに続く参院選挙で安倍政権と自民・公明に審判を下し、再稼働を許さず原発ゼロへの道を切り開くことがいよいよ切実なものになっています。(「原発」取材班)


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(写真)関西電力大飯原発3、4号機(右から)=福井県おおい町

 これまで9基の原発が再稼働。事故時の避難計画の実効性など住民の安全を置き去り、処理・処分の見通しのない使用済み核燃料の問題などを先送りにしたままの強行でした。

弊害明白

 安倍政権はエネルギー基本計画(昨年7月に閣議決定)で、原子力規制委員会が新規制基準に適合したと認めれば再稼働を進めるとして、2030年度の電力に占める原発の割合を20~22%(30基程度)にする方針の実現に「全力を挙げる」と明記。そのため、原則40年とされる原発の運転をさらに最大20年延長させ、建設中の電源開発大間原発(青森県)、中国電力島根原発3号機など、すべての原発の稼働を狙っています。

 しかし、世論は依然、再稼働反対が多数です。2月の世論調査では、運転再開に反対が56%、賛成は32%(「朝日」)でした。

 この間、明らかになったのは原発再稼働の無謀さや弊害です。

 北海道で昨年起きたブラックアウト(全域停電)は、大規模電源による集中立地のもろさを浮き彫りにしました。大規模集中電源である原発の再稼働に固執するのは、電気の安定供給の点からも失格です。

 九州電力は昨年から川内、玄海両原発の再稼働を優先し、太陽光発電などの「出力抑制」を繰り返しています。原発は再生可能エネルギー普及の妨げです。

コスト高

 原発のコストは他の電源に比べて増加。安倍政権の原発輸出はすべて行き詰まり、世界では再生可能エネルギーの拡大で、原発は電源としての役割も低下。ビジネスとしても成り立たなくなっています。

 報道によれば、苦境に立つ原発を持つ電力会社に対し、消費者負担による補助制度の創設を経済産業省が検討しているといいます。「原発が安い」という宣伝を政府自ら反証するものです。取りざたされる制度の一部は同省審議会で議論され、委員から「極端な優遇策」と批判されたほどです。

 原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する政府の核燃料サイクル路線は破綻しています。プルトニウムを利用するとしていた高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉。プルトニウムを取り出す青森県の日本原燃再処理工場の完成も20回以上延期し、建設費は約2兆9000億円に膨らむといいます。原爆の材料にもなるプルトニウムは国内外に約47トン(長崎型原爆6000発以上)もたまり、海外から疑念を招きかねない事態です。内閣府原子力委員会が昨年、これ以上プルトニウムを増やさない方針を発表。大幅に減らす見通しがない中で、21年上期に完成予定の再処理工場の運転計画も示せません。

反省無し

 福島第1原発事故を起こした当事者の東京電力も、▽全7基で世界最大級の総出力を持つ柏崎刈羽原発(新潟県)の6、7号機の再稼働をねらう▽日本原子力発電の東海第2原発(茨城県)の再稼働への資金援助計画▽青森県では自社で東通原発を新しく建設・運転させるため、地元自治体に2億円の寄付を申し出る―など、事故の反省はなく原発拡大路線をひた走っています。ADR(裁判外紛争解決手続き)和解案の拒否など被災者支援を打ち切り、再稼働に固執する東電の無責任さがあらわです。

【日本共産党の統一地方選政策アピールから】

■住民と関係自治体の同意も、有効な避難計画もないままの再稼働強行は許しません。

■再生可能エネルギーの開発と普及をすすめ、循環型の社会をめざします。原発立地補助金を転換し、原発にたよらない地域振興・支援政策に切りかえます。

■再生可能エネルギー施設であっても乱開発が許されないのは当然であり、地域の環境保全や防災と両立させます。

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