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2019年4月2日(火)

きょうの潮流

 きっかけは宮廷内のクーデターでした。さかのぼること、およそ1400年前。当時、朝廷で実権を握っていた蘇我氏一族を中大兄皇子(なかのおおえのみこ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)が滅ぼすという政変が起きました▼645年、権力争いの後に新しい天皇が即位。「大化元年」とされたのが日本の元号の最初だとされています。その後、大化改新によって中央集権的な国家体制の足がかりとなる改革が進められました▼もともと元号は紀元前の中国、漢の時代に武帝(ぶてい)が即位後に「建元(けんげん)」としたのが始まりといわれます。武帝は天変地異や政局の転換などを理由になんども改元。それによって時間や年月を自由に操れるのが皇帝の特権であることを示したといいます(『元号と日本人』)▼平成回顧のけん騒のなかで、新元号「令和」が発表されました。延々と映すテレビをはじめ、これほどの大騒ぎに違和感をもたれた方も多いでしょう。天皇の代替わりまでこうした報道が続くのかと思うと、うんざりしてしまいます▼国民が主人公の今の世にあって、天皇が代わるたびに改められる元号が時代を画していくわけではないでしょう。ましてや政府がその使用を押し付けるようなことはあってはなりません▼安倍首相は新元号について、一人ひとりがそれぞれの花を大きく咲かせることができる日本でありたいとの願いを込めたといいます。一方で、元号は日本国民の精神的な一体感を支えるもの、生活のなかに深く根ざしてほしいと。それがいかに矛盾しているか、わからないままに。


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