2019年3月30日(土)
きょうの潮流
応援団の練習の声がうるさい。吹奏楽部のラッパがうるさい。金属バットの打撃音がうるさい…。部活動をめぐる近隣トラブルで飛び抜けて多いのが、「音」だといいます▼生徒・地域・教職員で構成する長野県松本深志高校の「鼎談(ていだん)深志」。地域に足を運び、苦情や要望を聞いて回った生徒たちの「一堂に会して話し合う場が必要だ」との願いから、2017年に発足。24日、日本部活動学会第2回大会のシンポジウムで報告されました▼体育館の窓に何重にも段ボールを貼り、タオルやビニールで和太鼓を覆う。生徒の涙ぐましい努力を間近にした住民は「これでは練習にならない」「生徒がかわいそう」と歩み寄ってくれました▼騒音問題の専門家は言います。飛行機の爆音などの公害騒音と違い、「近隣騒音は防音対策ではダメ。行うべきは煩音(はんおん)対策です」。「煩音」とは、人間関係や心理状態によってうるさく感じてしまう音。出す側と聞かされる側との関係性が、深く関わっていると▼「音問題」に全生徒が関係するわけではなく、鼎談深志の活動には困難も。それでも、生徒と地域とが知り合う努力は無駄にはなりません。保護者による迷惑駐車や生徒の自転車無謀運転など、多様な課題にも踏み込みながら、「地域の学校」を育む関係を築いています▼うるさいのはお互いさまだけ、ではもちろん済まされない。でも顔を突き合わせ、事情を知り合うことで新たに生まれるものがある。「鼎談深志」を体験した人たちの思いです。








