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2019年3月29日(金)

辺野古90メートル軟弱地盤 防衛省 強度調べず

揺らぐ「固い」の根拠

井上議員が追及

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋め立て区域に広がる軟弱地盤のうち、最深90メートルに達するB27地点で地盤強度を調べていないことが日本共産党の井上哲士参院議員などの追及で明らかになり、波紋が広がっています。

 防衛省は90メートル付近には「非常に固い粘土層がある」(岩屋毅防衛相)として、地盤改良工事を行う必要がないとしていますが、「固い」という根拠が揺らいでいます。

 同省は22日、野党側に提出した資料で、B27地点でボーリング調査を実施しない理由として、室内試験で「非常に硬い」粘土層に分類されるS3、S20、B58地点と同じ地層であることを挙げています。しかし、これらはB27から150~750メートル離れています。

 辺野古の軟弱地盤をめぐっては、2013~14年度の地質調査で「マヨネーズ並み」とされるN値0の地盤が確認されました。防衛省は17年度、追加の調査を実施したにもかかわらず、最も深刻なB27地点で強度を確認していないのです。

 井上氏は22日の参院外交防衛委員会で、「N値が問題になったから細かく調査した。それならきちんとN値を出すべきだ」と追及しました。

 これを受け、防衛省は27日の参院予算委員会で井上氏に、B27地点の海底面下40~60メートル(水深70~90メートル)の「換算N値」を提出。驚くべき事実が明らかになりました。

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 B27地点では、60メートル(水深90メートル)地点を含め、多くが、地盤改良が必要とされる10未満で、地盤工学の定義で「非常に硬い」とされる15~30を大きく下回っているのです。

 「全然違うじゃないか」。井上氏が追及すると、岩屋防衛相は「今の説明は換算数値だ」と弁明し、信頼性の低い数値であるとごまかしを始めました。

 「だったら実測すればいい。自分たちで答弁しながら、都合が悪くなると信頼性が低いとは…」。井上氏がこう追及するのは当然です。

 「隠ぺい・改ざん」を常とう手段とする安倍政権。辺野古の地盤強度をめぐっても、その手段が用いられていることが浮き彫りになりました。

図

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