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2019年3月27日(水)

きょうの潮流

 「日本」というと、先生から「大日本」だと殴られました。天皇のために命をささげよと教えられた軍国少年は徴兵を待たずに入隊。あと少し終戦が遅れていれば人間魚雷になって海に消えていました▼のどかな山あいの地、宮崎県の綾町で生まれ育った継松(つぎまつ)敏夫さん。92歳になる今も自身の体験や戦争の悲惨さを語り続けています。今月8日にも地元の中学校で講演。別世界の話のように聴き入る子どもたちの表情が忘れられないといいます▼広島・江田島の海軍兵学校にいたときに目撃した原爆の恐ろしさも訴えてきました。近くの病院に次々と運ばれてきた負傷者の変わり果てた姿に涙がとまらなかったこと。こんな残虐非道な核兵器は世界から一発も残らずなくそうと▼町民の戦争体験を本『2度と戦争どんするむんじゃね』にまとめ、世に出す活動も。殺し殺される戦場、飢餓や抑留生活で味わった過酷で凄絶(せいぜつ)な記憶。最期まで後悔や苦悩を引きずってきた人もいました▼継松さんは戦後、日本共産党の町議を11期も務めました。真実の近現代史を学びなおし、あの侵略戦争に命がけで反対した人たちや党があったことを知ったときの驚き。自分の残りの人生は、この党の一員として平和のためにささげようと決意して▼ふたたび軍靴の足音を響かそうとする政権のもと、いま列島各地でたたかわれている選挙。反戦平和の砦(とりで)となる議席を、一つでも多く増やしたい。忘れてはならない歴史を継ぐ語り部の思い。それは全国につながります。


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