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2019年3月19日(火)

主張

「森友」問題の究明

政府は国会で疑惑にこたえよ

 大阪の学校法人「森友学園」に、国有地が破格の安値で払い下げられ、「私や妻(昭恵氏)が関係していれば、首相も国会議員も辞める」との安倍晋三首相の国会答弁に合わせて、国会での虚偽答弁や公文書の隠ぺい・改ざん・廃棄が行われた「森友」問題をめぐり、今月相次いで司法の動きがありました。一方、国会で首相や与党の自民・公明が昭恵氏らの国会喚問・招致に応じていないため、解明がつくされていません。国民の共有財産が不正に処分され、国会を欺き、愚ろうした重大問題を徹底究明するのは、国会の重大な責任です。

司法機関任せでなく

 「森友」問題に関連した一連の裁判のうち、当時の理事長と妻が国と大阪府から補助金などをだましとった容疑の刑事事件では、大阪地裁で6日、初公判が開かれ、2人は否認しました。

 国有地のある大阪・豊中市の市議が売却価格を当初非開示にした国を相手に、損害賠償を求めた訴訟は、先月19日大阪地裁で結審、5月末に判決の予定です。

 「森友」が国有地に開校を目指した小学校の設置趣意書を、国が不開示(黒塗り)にしたのは不当だと大学教授が損害賠償を求めた裁判では、14日大阪地裁で判決があり、裁判長は違法と認め、国に慰謝料などの支払いを命じました。

 いずれも重要な裁判ですが、ことは司法機関任せで済む問題ではありません。日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は18日の予算委員会で、大阪地裁判決を受け、未公開の交渉記録など関連文書の公開を、改めて安倍政権に迫りました。

 鑑定価格から9割も値引きする不当な安値で売却された国有地は、国民の共有財産です。国会での虚偽答弁や、国民共有の知的財産である公文書の隠ぺい・改ざんなどは、「国権の最高機関」である、国会の権威に関わる重大問題です。行政府の政府と、立法府の国会が、責任をもって解明すべきです。

 当時の財務省理財局長らが、「廃棄した」と虚偽答弁した「森友」との交渉記録などはその後見つかりました。「名誉校長」を務めていた昭恵氏が国有地を視察した際の写真を、前理事長が財務省に見せたり、昭恵氏付の政府職員が財務省に問い合わせたり、前理事長が「棟上げ式に昭恵氏が来る」と財務省に伝えたことが、異例の土地処分につながったことが浮き彫りになっています。

 値引きの根拠だと説明してきた予定地からの「新たなゴミ」というのも、根拠の複数箇所の写真が同じ写真を使い回ししたものであることが、明白になりました。不当な払い下げや、公文書隠ぺいの根拠は総崩れです。安倍政権は直ちに昭恵氏らの国会喚問を受け入れ、全容を国会に説明すべきです。

国民は納得していない

 事件の発覚から2年余り―。どんなに安倍政権が逃げ回ろうとも、国民は決して事件を忘れていません。どの世論調査でも、7~8割が、安倍政権の説明に「納得していない」と答えています。

 首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部開設をめぐり、「総理のご意向」で政治がゆがめられた疑いの「加計」問題とともに、「森友」問題を徹底究明すべきです。安倍首相は国民に事実を明らかにし、「首相も国会議員も辞める」との言葉通り、責任を果たしてもらいましょう。


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