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2019年3月16日(土)

東京福祉大 留学生「所在不明」743人

小池参院議員に文科省が回答

受け入れ急増 4年で約9倍

 外国人留学生の受け入れ数が5133人と全国の大学で2番目に多い東京福祉大学(2000年開学)で、2年間で計743人の留学生が所在不明のため除籍されていることが15日、日本共産党の小池晃参院議員(書記局長)が文部科学省に求めた資料などで明らかになりました。小池氏の指摘を受け、文科省は法務省とともに調査するとしています。(矢野昌弘)


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(写真)東京福祉大学の池袋キャンパス本館=15日、東京都豊島区

 「これは稼げるわけだよ」「こんなふうにしてやって、こうやったらこんだけ銭がもうかる」

 この発言は、東京福祉大学の創立者で、当時の総長だった男性が2011年に学内の会議で、外国人留学生の受け入れ拡大を提案した際にのべたとされる発言です。同大の元関係者が起こした民事裁判の証拠で提出されたものです。

 同大学の外国人留学生の数は2014年5月時点では、596人でした。翌15年には1403人、16年には3000人、17年は3733人、昨年5月には5133人と4年間で約9倍という急増ぶり。受け入れ数日本一の早稲田大学の5412人に迫る勢いです。

 東京福祉大学は、17年度の外国人留学生3733人のうち、学位取得できる課程に在籍する正規の外国人留学生は733人です。

 残り3000人は、日本語の履修など科目限定の留学生や研究生などの定員が定められていない非正規となっています。同大学の事業報告書によると、正規課程の収容定員は4460人です。

 同大学では、強制わいせつ事件で懲役2年の実刑を受けた元総長が、文科省の指導で大学経営から排除されたにもかかわらず、経営介入していることや教職員へのパワハラなどが指摘されています。大学関係者らの要望を受け小池氏が、この間、文科省に同大学への指導を求めてきました。

 これに対し、同大学は今年2月、文科省に回答書を出しました。この中で、16年度に除籍された外国人留学生264人のうち、所在不明者は259人。17年度の除籍者493人のうち、所在不明者は484人となっていました。

 同大学の元教員は「教員が、留学生の担任になるが、受け持つ留学生があまりにも多すぎるし、言葉も通じない。その結果、所在不明になると思うが、そもそも留学する目的で来たのか、前提が違う人も多いのではないか」といいます。

 今月8日に文科省の担当者らは、小池氏らに「これだけ所在不明となっており、学生の在籍管理や教育環境についても懸念がある。大きな問題」とのべました。

 小池氏は「この間、技能実習生、外国人留学生の問題でも不法就労の温床になっていると指摘されている。大学がいったん受け入れながら、こういう状態においているのは大問題。文科省は、教育機関にあるまじき実態を、きびしくただすべきだ」と指摘しました。

 本紙の取材に東京福祉大学は「コメントを発表する予定なので、そちらをみていただきたい」と答えました。


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