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2019年3月16日(土)

大学等修学支援関連法案への畑野議員の質問(要旨)

衆院本会議

 日本共産党の畑野君枝議員が14日の衆院本会議で行った大学等修学支援関連法案への質問の要旨は次の通りです。


 現在、国立大学は入学金、授業料合わせて年額約82万円、私立は平均で100万円を超え、多くの学生が高学費に苦しみ、約9割の学生がアルバイトをし、世帯年収1000万円以上でも約5割が生活費にアルバイト収入を充てています。

 安倍政権の「高等教育無償化」方針や本法案には、学費引き下げの言及がありません。日本政府は2012年、国際人権規約13条2項(c)「高等教育の漸進的な無償化」への留保を撤回しました。「漸進的な無償化」は、政府の義務であり国際公約です。ただちに学費を引き下げるべきです。

 法案の最大の問題は、修学支援の財源に消費税10%増税分を充てていることです。消費税は逆進性をもち、低所得者や学生、保護者に重い負担を与えます。修学支援の対象とならない世帯は増税負担が重くかぶさるだけです。

 法案は、修学支援の対象となる大学に文科省が求める「機関要件」を課します。「要件」は「実務経験のある教員による授業科目の単位数」「産業界等の外部人材の理事への複数任命」ですが、教育活動の質とは無関係です。修学支援は本来、大学で学ぶ意欲のある学生のための権利保障です。

 茂木担当大臣は「無償化方針」について「産業界から人材を受け入れるなど実社会で評価されている大学に限定すべきだ」と述べ、政府の「人づくり革命基本構想」は、「産業界のニーズも踏まえ」「人材育成」のため大学を支援すると明記されています。大学を産業界のニーズに応える人材育成機関にするものです。

 学校教育法等の改正案は、国立、私立を問わず「教育研究の状況」について、文科省の大枠に基づく評価基準に適合するか否かの認定を受けることを義務付け、教育研究水準向上の努力義務を課しています。不適合の大学には、文科相が報告・資料提出を求めると規定しています。学問の自由、大学の自治へのあからさまな政府介入です。

 「国立大学法人化は失敗だった」と国大協会長が述べるように、政府の大学改革が日本の研究力低下をもたらしたと指摘されています。運営費交付金の大幅削減、重点支援への傾斜配分、外部資金獲得に駆り立ててきたことが、大学の自立性を奪い、自由で創造的な研究活動を制約しています。こうした反省なしに大学の危機打開はありません。


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