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2019年3月16日(土)

きょうの潮流

 数百人の若者が集い政治や国の未来を語りあっていました。各政党の青年部が開くサマーキャンプ。ノルウェーの10代から20代までの幅広い層が交流する恒例行事です▼青年部とはいえ、政策も組織も母体から自立。社会運動に熱心な彼らは「青年党」と呼ばれ、決められた政策や提案は国政にも影響をおよぼします。この国の民主主義を象徴する場。そこが、未曽有のテロに見舞われたのは8年前でした▼その日、首都オスロ近郊の島で労働党青年部のキャンプが催されていました。楽園に突然鳴り響いた銃声。差別的な極右思想にとりつかれた犯人は手当たり次第に撃ちまくり、夢と希望をいだく若者を切り裂きました▼政府庁舎の爆破とあわせ、77人もの命を奪い、世界を震え上がらせた惨劇。生存者の証言をもとに悪夢をリアルに描いた映画「ウトヤ島、7月22日」が、いま日本でも上映されています。その恐怖をよみがえらせる事件がまた起きました▼ニュージーランドの都市でイスラム教の金曜礼拝を狙った銃撃。死者は増えつづけ、多数の負傷者が出ています。拘束された容疑者たちの取り調べはこれからですが、強い憎悪と過激な思い込みが感じられます▼差別や偏見がふりまかれる現代。ノルウェーではあの事件後、憎しみの連鎖を断ち切ろうとバラの行進がわき起こりました。青年部にも登録が相次ぎ、若者の政治参加はいっそう高まったと。それは、人びとの連帯や自由を脅かすものには屈しないという確たるメッセージです。


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