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2019年3月6日(水)

カジノ 無法な大阪構想

売り上げ 年3800億円も 膨大なカネ巻き上げ

参院予算委 辰巳議員が追及

 「カジノは一晩で全財産を失う恐ろしい賭博行為だ」―5日の参院予算委員会で日本共産党の辰巳孝太郎議員は、安倍晋三首相が固執するカジノ開設の中止を強く求めました。


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(写真)質問する辰巳議員=5日、参院予算委

客の75%日本人 万博と一体

 安倍内閣は国民の不安や反対の声にこたえず、日本のカジノの具体的姿を提示しないまま、既成事実を重ねています。

 辰巳氏は、日本のカジノがどんなものになるのか、カジノ誘致で先走っている大阪府・市が2月に策定した「基本構想(案)」で示しました。

 政府は「単なるカジノ解禁ではなくIR(統合型リゾート)だ」と主張しています。

 辰巳氏は、大阪府・市「構想」で、IR全体の年間売り上げ4800億円のうちカジノの売り上げが3800億円を占める(パネル1)としていることをあげ「8割がカジノだ。会議場だ、ショッピングだというが、それらはカジノに誘い込むための付属施設にすぎない」と追及しました。

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(写真)「大阪IR基本構想(案)」から辰巳事務所作成

 カジノの「売り上げ」は、カジノが賭博のテラ銭(賭けられた金額からカジノが払い戻した金額を引いたもの)として、客から巻き上げた金です。辰巳氏はパチンコ店の粗利(あらり)との比較で示しました。

 大阪府内に805店あるパチンコ店の粗利2150億円の1・7倍、近畿2府4県1716店舗全体の4500億円との比較でも85%にあたる巨額のテラ銭をたった一つのカジノで稼ぐというのが大阪府・市の計画です。

 辰巳氏は「これだけの金を奪うカジノを日本国内に三つもつくる。しかも事業者として想定されているのは外資企業だ」と首相の認識をただしました。

 安倍首相は「カジノは収益面でも原動力となる」と認めました。

 辰巳氏は、政府が「日本のIRの手本」とするシンガポールのカジノを調査してきたことを紹介。

 シンガポールでは自国民のカジノ入場を厳しく規制し、さまざまな個人情報が分かるIDカードで入場管理をし、独立した行政組織である国家賭博問題対策協議会が国民の入場を制限、禁止する権限をもっています。

 日本では日本人の入場管理にマイナンバーカードを使うとしていますが、シンガポールのIDカードのような個人情報の把握はできません。実際の入場規制もカジノ事業者まかせです。

 シンガポールではカジノ客の大半は外国人客なのに、大阪府・市の「構想」ではカジノ客の75%を日本人と想定しています。

 辰巳氏は「これでどうして世界最高水準のカジノ規制ができるのか」と追及。安倍首相は「包括的な依存症対策をすすめている」と答えました。

 辰巳氏は「最大のギャンブル依存症対策はカジノ解禁を撤回することだ」と強調しました。

 辰巳氏は2025年の開催が決まった大阪万博の会場が同市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で、大阪府・市のカジノ予定地の隣であることをあげ、「万博とカジノは一体だ」と批判。世耕弘成国際博覧会担当相は「まったく一体ではない」と答えました。

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(写真)出典:ラスベガス・サンズホームページ

 辰巳氏は、大阪進出に意欲的な米国のカジノ事業者ラスベガス・サンズが万博開催決定で出した声明(パネル2)を示し、万博に必要なインフラ整備をカジノ事業者が行うなど「カジノのための万博になっている」と批判。日本国内にカジノを開設することの無法と危険性を指摘して、中止を強く求めました。


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