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2019年3月5日(火)

NHK日曜討論 小池書記局長の発言

 3日のNHK「日曜討論」に出演した日本共産党の小池晃書記局長は、2019年度政府予算案や統計不正、児童虐待、沖縄新基地建設などで与野党幹部と議論しました。


新年度予算案

 10月からの消費税10%増税を前提とした予算案について、自民党の岡田直樹参院幹事長代行、公明党の西田実仁参院幹事長は、早期成立を図ると強調しました。野党側は、消費税増税の根拠だった賃上げの伸び率が毎月勤労統計調査の不正でかさ上げされた問題をあげ、「(かさ上げを)前提として消費税を上げるのは許されない」(立憲民主党の福山哲郎幹事長)、「真実が明らかにされないまま予算編成しているのは大問題だ」(国民民主党の玉木雄一郎代表)と反発しました。

 小池氏は、昨年の家計消費も実質賃金もマイナスだったとして「予算案の土台である統計の信頼性が崩れ、根幹である消費税増税の前提も崩れた。土台も根幹も崩れた予算案を通すわけにはいかない」と強調しました。

 “増税分はすべてお戻しする”という安倍首相の弁明に対しても「戻すくらいなら増税しなければいい」とズバリ。「増税するなら、アベノミクスで潤った富裕層、大企業にだ」と述べ、高額の株取引に対する税率の引き上げや、大企業に中小企業並みの法人税負担率を求めることで消費税増税分の財源は生まれると提案しました。さらに、トランプ米大統領言いなりの米国製兵器“爆買い”の見直しを求めました。

統計不正

 毎勤統計の不正について問われた自民党の岡田氏は、厚労省の特別監察委員会の追加報告書は「妥当な結論だ」「隠ぺいと言うかどうかは言葉の問題だ」と強弁しました。

 小池氏は「とんでもないことだ」として、「『うそはついていたが悪気はなかった。その場の思い付きでやったことだ』と言ったら、おとがめなし。そんなことは一般社会では通用しない」と厳しく批判。さらに、追加報告書は首相官邸の関与が明らかなのにまったく触れていないことが最大の問題だと指摘しました。

 また、日本維新の会の片山虎之助共同代表が「根っこは霞が関の劣化だ」と述べたことに対して、「劣化させたのは、隠ぺい・ねつ造を許している安倍政権であり、頂点にいる安倍首相だ」と語りました。

 野党側は「明らかになっていない闇が多すぎる」(立民・福山氏)、「『第三者性』を満たした委員会をつくり直して一から調査すべきだ」(国民・玉木氏)などと一斉に批判しました。

 自民党の岡田氏は、賃上げの伸び率をかさ上げさせた昨年1月の統計手法の変更について「改善だ。官邸の圧力、関与は何の根拠もない」と繰り返しました。しかし、「改善と言うなら(統計手法の変更を)なぜ公表しなかったのか」(福山氏)と追及され、実質賃金の実際の伸び率を公表するよう求められると口ごもり、「専門家の検討を経てからでないと出せない」と言い訳に終始。小池氏は「妥当かどうかは国民が判断する」と迫りました。

児童虐待

 児童虐待の問題では、与野党とも、対策強化を主張しました。

 小池氏は「子どもの命を守る政治の責任が問われている。体罰や暴力はしつけでも何でもない。絶対に許されない」と述べ、「国連子どもの権利条約に基づいて、子どもを単に保護対象として捉えるのではなく、権利の主体として尊重するという考え方をしっかり据えた対策が必要だ」と語りました。

辺野古新基地

 沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設の問題。辺野古埋め立てに圧倒的多数の反対が示された県民投票(2月24日)をめぐって、自民党の岡田氏は「埋め立てに反対という一つの民意だ」としつつも、「米軍普天間基地の全面返還も強い民意だ。着実に進めていく」として、県民投票の結果を無視して新基地建設を推進する姿勢を鮮明にしました。

 小池氏は「県民投票は基地建設のための埋め立ての賛否を問う一点に絞ったものであり、辺野古に基地はつくらせないという民意は明白だ」と強調。「政府は(投票結果を)真摯(しんし)に受け止めると言いながら、辺野古が唯一だと言って踏みつける。こういう態度は許されない」と批判しました。

 そのうえで、「辺野古が唯一と言い続ける限り普天間基地の固定化が続いてしまう」として、辺野古の埋め立て海域はマヨネーズ並みの超軟弱地盤であり、政府が工事の費用や期間をまったく示せずにいることを指摘。「こういうことが明らかになりながら土砂投入を続けるのは、あまりに無謀で無責任だ。日本政府が取るべきことは、普天間基地の無条件撤去を正面から求める外交交渉だ」と迫りました。

 立民の福山氏も「民意ははっきりしている」と述べ、投票翌日にも土砂投入を続けた政府を批判しました。

 自民党の岡田氏が「東アジアの安全保障環境」を口実にして米国との外交交渉に消極的な姿勢を示したのに対し、国民の玉木氏は「(辺野古基地の)完成まで十何年かかるとして安全保障環境も大きく変わる。一度立ち止まって検証すべきだ」と反論しました。

米朝首脳会談

 ハノイで行われた第2回米朝首脳会談をどう見るか―。

 小池氏は「今回は米朝で合意に至らなかったが、大事なことは交渉を継続すると双方が言っていることだ」と指摘。米朝は長年、敵対関係にあったことからも交渉は簡単に進むものではなく、さまざまな曲折があるのは当然だとして、「朝鮮半島の平和構築、完全な非核化へ、どんな困難があっても対話と交渉を継続することが大事であって、絶対に後戻りさせてはいけないし、後戻りできない動きだ」と述べました。

 昨年6月の米朝首脳会談で、北朝鮮が「朝鮮半島の完全な非核化」を確約するなどした共同声明は「国際公約」だとして、「これをきちんと具体化して履行すること、そのための真剣な協議を行うことを強く期待したい」と語りました。


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