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2019年2月16日(土)

主張

強権、暴言、虚言

政権担当の資格いよいよない

 安倍晋三政権の閣僚による、強権発言や暴言、失言・妄言、虚言が際立っています。麻生太郎副総理・財務相が、「子どもを産まなかった方が問題」と発言し批判されたのに続いて、菅義偉官房長官の記者会見をめぐり、首相官邸の報道室長が特定記者の質問を事実上封じる「申し入れ」を内閣記者会にしていたことが発覚。菅長官は「事実に基づかない質問だった」と、言論抑圧を正当化するばかりです。加えて桜田義孝五輪担当相が、競泳の池江璃花子選手の白血病公表に、「がっかりしている」と発言し、国民の怒りをかきたてています。

人権も言論もないがしろ

 池江選手をめぐる桜田氏の発言は、選手本人や同じ病気で悩む人たちとその家族などを傷つける、人として許されない言葉です。「がっかりしている」との発言は、選手をメダル獲得の手段としてしか見ていないもので、五輪担当相の資質に欠ける証明です。

 桜田氏はこれまでも、サイバーセキュリティ担当相なのにパソコンを打ったことがないと認めるなど、資質が疑問視されてきました。今回の発言の後も、五輪担当相なのに、「五輪憲章」を「読んでいない」と述べるなど、信じられない発言をしています。桜田氏には直ちに担当相をやめてもらうしかありません。

 官邸の報道室長が記者会に特定の記者の事実上の排除を申し入れ、菅氏がそれを当然視したのは、言論の自由や報道の自由の根幹を揺るがす、言語道断なものです。菅氏は当該記者の質問について、「取材じゃない。決め打ちだ」などと非難します。しかし問題にされた質問は、沖縄・辺野古での米軍新基地建設に使われている土砂に、大量の赤土が混入していることを指摘したもので、それを確認しない政府の方こそ問題です。記者に痛いところを突かれ、逆上したとしか言いようがありません。菅氏らの態度は、安倍政権の国民軽視の強権政治そのものです。

 疑問があれば問いただすのは記者の当然の役割で、それを封じるのは言論・報道の自由を侵害し、国民の「知る権利」を奪うものです。官邸をつかさどる菅氏は、直ちに「申し入れ」を撤回させ、自らも責任を明確にすべきです。

 「少子化」の責任を「産む側」に押し付ける麻生氏の発言は、これまでも繰り返されており、謝罪もしない同氏に反省はありません。政治の責任は安心して産み育てられるよう、環境を整えることです。麻生氏が内閣のナンバー2に居座っていること自体が、政権の異常な姿勢を示しています。

首相自身が虚言の先頭に

 最大の問題は、閣僚の任命権者である安倍首相が暴言・妄言を放置し、責任を問わないどころか、自らが「自治体の6割以上が自衛隊の募集業務に協力していない」などと、フェイク(ウソ)発言の先頭に立っていることです。安倍氏が憲法9条に自衛隊を書き込む口実に持ち出した自治体の6割以上が隊員募集に協力していないという発言は、岩屋毅防衛相自身が9割近くは協力していると認めて、否定しました。首相の改憲の狙いが、若者の名簿を強制的に召し上げるためであることは明白です。

 国民の「信なければ立たず」。強権発言や暴言・虚言を繰り返す、安倍政権は退陣しかありません。


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