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2019年2月13日(水)

主張

沖縄県民投票

埋め立て「反対に○」圧倒的に

 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる新基地建設のため、名護市辺野古沿岸部で進められている埋め立ての是非を問う県民投票が14日告示されます(24日投票)。昨年9月の県知事選では、新基地建設阻止を公約に掲げた玉城デニー知事が歴史的な圧勝を勝ち取りました。ところが、安倍晋三政権は昨年12月、デニー知事が中止を強く求めていたにもかかわらず、土砂投入を初めて強行し、県民の怒りが広がっています。県民投票で辺野古埋め立て反対の民意を明確に示し、新基地建設断念に追い込むことが必要です。

極めて無謀な工事

 今回の県民投票は、「普天間飛行場の代替施設として国が名護市辺野古に計画している米軍基地建設のための埋め立て」について賛否を問うものです。投票用紙の「賛成」、「反対」、「どちらでもない」の三つの欄のうち、いずれか一つに○を記入するという方法で行われます。告示日翌日の15日から期日前投票などが可能になります。

 都道府県レベルでの住民投票としては、沖縄県が、米海兵隊員らによる少女暴行事件を受け、1996年に実施した「日米地位協定の見直し及び基地の整理縮小に関する県民投票」に続いて2例目です。当初、自民党などの反対で投票事務を行わないと表明する市がありましたが、「投票権を奪うな」という県民の運動・世論の高まりの中で全県実施が決まったことは、極めて大きな意義があります。

 安倍政権は、昨年12月に強行した土砂投入を今も続け、新たな護岸建設にも乗り出しています。一方で、安倍首相は今年になって初めて、埋め立て海域に存在する軟弱地盤の改良工事のため、設計変更を県知事に申請する必要があることを認めました(1月31日の衆院本会議、日本共産党の志位和夫委員長への答弁)。

 改良工事が必要な軟弱地盤は、辺野古東側にある大浦湾の埋め立て海域一帯に広がっています。本紙報道(9日付)によると、地盤改良区域は約65ヘクタールで、埋め立て海域全体(約160ヘクタール)の4割近くに及びます。地盤改良のために打ち込む砂杭(すなぐい)は約7万7000本にもなり、大規模な自然破壊を引き起こすのは明らかです。

 しかも、軟弱地盤の海面からの深さは、当初の調査では最大70メートルでしたが、新たな調査では最大90メートル(海底まで30メートル、地盤の厚さ60メートル)に及ぶことも分かっています。深さ70メートルでも地盤改良の例は聞いたことがないと専門家から指摘されていましたが、深さ90メートルとなれば工事はいよいよ困難です。

 地盤改良のための砂杭を深さ90メートルまで打ち込むことができる作業船は日本国内にないとも報道されています(沖縄タイムス9日付)。それでも政府が新基地建設を進めるとなれば、深さ90メートルの軟弱地盤は改良工事をしないまま埋め立てが強行され、地盤沈下などの危険を生むことになりかねません。

未来を開く結果を

 政府が地盤改良工事のための設計変更を申請しても、デニー知事が認めなければ、埋め立て工事は不可能であり、新基地も造れません。新基地建設の阻止、普天間基地の閉鎖・撤去の実現に向け、県民投票で「反対に○」の圧倒的多数の意思を示すことが重要です。全国からの連帯、支援を強め、沖縄の未来を開きましょう。


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