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2019年1月27日(日)

米政府 閉鎖一時解除へ

政権と民主党 合意でつなぎ予算成立

トランプ大統領 依然 壁建設主張

 【ワシントン=遠藤誠二】メキシコ国境での壁建設の予算に固執し、政府機関の一部閉鎖の継続もやむを得ないと強硬姿勢を続けてきたトランプ大統領は25日、期限付きで閉鎖を解除すると発表しました。国民生活への影響が深刻化するなか、批判の高まりに譲歩を余儀なくされました。

 米議会の上下両院は同日、政府機関の一部を3週間再開させるつなぎ予算を可決。トランプ大統領の署名を経て成立しました。これに先立ちトランプ大統領は、ホワイトハウスで演説し、「政府機関の閉鎖を終わらせることで(民主党と)合意に達したことを誇りに思う」と表明。連邦政府職員への未払い給与をなるべく早く支給すると約束しました。

 つなぎ予算には、トランプ大統領が強く主張してきた57億ドル(約6200億円)の壁建設費用は盛り込まれず、昨年秋の中間選挙を経て下院で過半数を得た民主党に対し、トランプ大統領が折れた形です。

 壁建設については、予算措置が切れる2月15日まで引き続き民主党と協議します。トランプ大統領は、「(国境では)鉄の防壁か強力な壁を築く以外に選択肢はない」と従来の主張も繰り返し、民主党と合意に至らない場合、「また政府機関が閉鎖されるか、(壁建設のために)私が非常事態宣言をするかだ」と脅しました。

 政府機関の一部閉鎖は25日で35日目となり、過去最長を更新。自宅待機や無給で働かされる連邦職員80万人や、400万人規模の政府契約職員が、家賃の支払いに窮し、無料の食糧支給に頼らなければならない事態に陥っていました。

 空港の保安検査を担当する運輸保安局職員が不足し、空港が大混乱するなど、米国民の5人に1人が「政府機関の閉鎖で個人的に影響を受けている」(ワシントン・ポスト紙とABCニュースによる世論調査)と述べるなど国民生活全体に影を落としていました。

 各種世論調査では、6割近くが、政府機関閉鎖の責任は「民主党よりもトランプ大統領にある」と回答。トランプ大統領の支持率は37%(CNNテレビ)で閉鎖前より4ポイント下落し最低レベルとなっていました。


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