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2019年1月25日(金)

コンビニ各社、成人誌販売中止へ

性の商品化 「イヤ」

 コンビニ大手各社が「成人向け雑誌」の販売中止をそろって発表しました。誰もが訪れるコンビニ。店内に堂々と並ぶ成人誌に市民から苦情も寄せられていました。(芦川章子)


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(写真)コンビニの成人誌コーナー。入り口近くにあり、すぐに目に入ります=24日、東京都内

新婦人の行動、世論動かす

 大手のセブン―イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートの3社はそれぞれ8月末までに、全国で成人誌の販売を原則中止すると明らかにしました。イオン傘下のコンビニ「ミニストップ」はすでに17年末から順次、販売を中止しています。

 販売中止の理由について、各社が挙げたのが「女性や子連れ、外国人の増加」という客層の変化、そして「お客さまからの要望」です。

 セブンは「苦情や意見は年々増えています。意見は当然踏まえています」。ローソンは「子連れ客から売り場の前を通りづらいという意見はいただいていた」といいます。

 新日本婦人の会の米山淳子副会長は「コンビニは子どもたちも気軽に訪れる場所。撤去・販売中止を求める声と行動が動かした」と歓迎します。

反響呼んだ要請

 同会は17年12月、セブン本社を訪れ「女性や子どもたちが安心して訪れることができるように」と成人誌の撤去、販売中止を要請。さらに「全従業員に女性差別撤廃条約などでの人権教育を重視し、人権啓発の役割を発揮して」と求めました。

 同時に各地から地元コンビニ店に声を届けようと、これまでに全国320店舗以上に要請。ツイッター上でも「私もずっと嫌だと思っていた」など反響を呼びました。

 要請先の店舗では「本当は売りたくないけれど、本社からの指示で」「私の判断で置いていません」という店長も。要請後、撤去した店もありました。

 米山さんは「性を商品化する雑誌の野放しは性暴力の温床であり、女性や子どもの人権を傷付けている。こうしたことをなくすには、一つひとつを見逃さずに『いやだ』と声を上げていくことが大切」と話します。

 問題はコンビニの成人誌に限りません。

 国連女性差別撤廃委員会は16年、日本における「ポルノ、ビデオゲーム、漫画などのアニメーションが女性と少女に対する性暴力を助長している」と指摘。日本政府に「生産と流通を規制する」よう勧告しています。

 子どもや女性の人権問題に詳しい千葉大学の後藤弘子教授(刑事法)は、今回のコンビニ各社の対応に「遅いとはいえ、大手が踏み切ったことは大きい。子どもや女性を守る環境にするという意味では当然」といいます。

鈍感すぎる日本

 ポルノ情報の氾濫について「日本はあまりにも鈍感」と批判します。米国など諸外国では、成人誌などは子どもや一般客の目に触れないよう販売場所を分ける「ゾーニング」措置がとられています。

 後藤さんは「なぜコンビニでこうした雑誌が売られ続けてきたのかを改めて考えることが必要です。女性や子どもを性的対象として“消費する”ということをコンビニがサポートしてきた。社会全体で改めて考える問題です」と話します。


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