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2019年1月24日(木)

米教員ストまた勝利

教育環境改善・賃上げ

ロサンゼルスで妥結

 【ワシントン=遠藤誠二】賃上げや少人数学級化など教育環境の改善、公教育の縮小中止を掲げ14日からストライキを行っている米西部カリフォルニア州ロサンゼルスの教職員組合とロサンゼルス統一学区教育委員会は22日、組合側の要求にほぼそった内容で妥結に至りました。南部オクラホマ州、東部ウェストバージニア州など昨年から続く教員のストは、全米第2の都市ロサンゼルスでも教員側の勝利で終結となりました。

 ストは、ロサンゼルス教職員組合(UTLA)が呼びかけていたもの。22日、記者会見したアレックス・カプートパールUTLA委員長は、「われわれは、多くの課題で合意することができた。学級規模の縮小、養護教員や図書館司書などの増員、賃金(引き上げ)などだ」と説明しました。

 UTLAによると、妥結案には、▽6%の賃上げ▽今後4年間で1学級当たりの生徒数4人減▽すべての学校にフルタイムの養護教員配置▽中学以上のすべての学校に図書館司書の配置―など組合側の要求のほとんどが盛り込まれました。

 組合員は22日夜、妥結案受け入れの票決を行いました。暫定集計段階で「圧倒的多数」が賛成票を投じたことが明らかとなり、カプートパール委員長はスト終結を宣言。23日から授業が再開されるもようです。

 交渉の仲介にあたった同市のガルセッティ市長は、「(双方が)合意に至り、教師たちが学校にもどることを発表できて光栄だ」と話しました。

 14日から、30年ぶりのストを実施したUTLAは、「全米で一番裕福な州で生徒一人当たりに使う教育予算は50州中43位だ」「学区がため込んできた19億ドル(約2000億円)の余剰金を環境改善にまわせ」などと主張。

 スト中、学区側は代用教員を当て対応しましたが、十分な授業はできませんでした。教員ストに対しては、保護者・生徒、地域コミュニティーも支持を寄せ、米国内の多くの教職員組合、労働組合が賛同を寄せました。

 教員ストはカリフォルニア州オークランド、コロラド州デンバーなどでも計画されています。米国は今年に入っても「教師のたたかい」が熱気を帯びています。

 ロサンゼルス統一学区 ロサンゼルス市と周辺31自治体およびロサンゼルス郡の一部で構成する学区。ニューヨーク市に次ぐ全米第2の規模で、就学前から高校生までの生徒数は60万人にのぼります。


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