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2019年1月13日(日)

きょうの潮流

 「不可能と思われていたことが現実に」。ニューヨーク市で昨年の大みそかから最低賃金が時給15ドルに上がったことに米メディアが注目しています。ファストフード労働者の運動がついに実を結んだからです▼きっかけは2012年秋、同市のファストフード労働者が決行したストでした。あまりの低賃金で、複数の仕事を掛け持ちしないと生きていけない。「生活できる賃金を」と最賃を倍の15ドルに引き上げるよう求めました▼「倍増なんて夢物語」。当時こう揶揄(やゆ)したメディアもありました。しかしたたかいは共感を広げ全米を覆ううねりへと発展。全国的な運動団体が生まれ6年余りでニューヨーク市を含む主要都市で最賃15ドルを勝ち取りました。「夢物語」でないことが実証されました▼貧困や格差の問題を国政の一大争点に押し上げたことも成果です。1%の富裕層や大企業のための政治で良いのか。先の中間選挙では最賃引き上げを訴える民主的社会主義者が躍進。連邦議会の雰囲気を一変させました▼前回大統領選で善戦したサンダース上院議員は全米で最賃を15ドルに引き上げる法案を新議会に提出する意向です。4年前、同様の法案を出した時の共同提出者は5人でした。それが今回は29人に。上院定数の4分の1超です▼「何を言われようと諦めなかった。そして勝利した」。SNS上で労働者が喜びとともに今後もたたかう決意を表明しています。いつの時代でもやはり新しい歴史を切り開くのは国民の「諦めないたたかい」です。


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