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2019年1月5日(土)

主張

沖縄のたたかい

新基地断念させる世論大きく

 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる新基地建設で安倍晋三政権が名護市辺野古沿岸部への土砂投入を強行していることに、県民だけでなく国民的な批判の声が上がっています。これまで何度も示されてきた沖縄の民意を無視し、違法行為を重ね、埋め立て工事を強行する安倍政権の強権姿勢は、県民・国民の思いに完全に逆行しています。今年は、辺野古埋め立ての是非を問う県民投票や衆院沖縄3区補欠選挙、参院選などが行われます。土砂投入を続けて県民の諦めを狙う安倍政権に、新基地反対の圧倒的な声を改めて突き付けることが必要です。

全国でも辺野古反対多数

 安倍政権は昨年12月14日、沖縄県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回に対抗し、私人の救済を目的にした行政不服審査制度を悪用して効力を停止した上、知事選で歴史的圧勝を収めた玉城デニー知事の中止要請を無視し、土砂の投入を強行しました。

 これを受けて沖縄の地元メディアなど3社が合同で実施した県民世論調査によると、安倍政権による辺野古の埋め立て工事について、不支持は68・9%と約7割に上っています(琉球新報4日付)。全国紙などによる全国世論調査でも、土砂投入への反対は、「朝日」60%、「毎日」56%、「共同」56・5%、「読売」47%(賛成36%)とそろって多数になっています。

 世論調査の結果は、民主主義も、法治主義も、地方自治も踏みにじり、新基地建設をあくまで推し進めようとする安倍政権の無法な態度に対し、県民・国民の間で批判の声が大きく広がっていることを示しています。

 安倍政権は、普天間基地返還のため「辺野古(移設)が唯一の解決策」と繰り返します。しかし、昨年急逝した翁長雄志前知事は、米軍が沖縄戦のさなかに県民の土地を一方的に接収し、普天間基地を造ったにもかかわらず、それが「危険」になったからといって県民に新たな土地を差し出せというのは「政治の堕落」だと厳しく批判してきました。占領下の私有財産没収は国際法(ハーグ陸戦法規)違反であり、普天間基地は無条件で返還を求めるのが当然です。

 しかも、新基地の狙いは、普天間基地の単なる「移設」ではありません。完成すれば、1800メートルの2本のV字形滑走路や、強襲揚陸艦が接岸できる軍港を持った最新鋭基地になります。中東などへの派兵を繰り返す米海兵隊の出撃拠点として半永久的に固定化され、県民は事故や騒音などの被害にさらされ続けることになります。

 一方で、新基地建設には道理も、見通しもありません。

「米国の戦略と関係ない」

 ブッシュ米政権下でパウエル国務長官の首席補佐官を務めたウィルカーソン元陸軍大佐は、沖縄の海兵隊駐留について「対中国や韓国の防衛と無関係であり、米国の国益上の戦略とも関係ない」「米軍が沖縄にとどまる理由は、日本がいくらでも小切手を書いてくれるからだ」(琉球新報昨年12月23日付)と述べています。

 今後、新基地の埋め立て予定海域に存在する軟弱地盤の改良工事では県の許可が必要となり、デニー知事は断固反対の立場です。新基地建設を断念に追い込むたたかいで、沖縄と全国の連帯をさらに強めることが求められます。


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