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2018年12月31日(月)

東京医科大学の不正入試問題 政治家が口利きか

職員に“依頼あった”と前理事長

第三者委が報告書

 東京医科大学の不正入試問題で、国会議員を含む政治家が裏口入学の口利きをしていた疑いがあるとする第三者委員会の最終報告書を30日までに、同大が公表しました。これによると2013~16年度の医学科入試では計109人(女性66人)が不正な得点操作で不合格となった可能性があります。これまで判明していた17、18年度と合わせると、6年間で計178人(女性121人)となりました。


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(写真)東京医科大学新宿キャンパス

 報告書によると、第三者委員会が聞き取りをした関係者は、ある国会議員に受験生の名前や受験番号を記したファクスを送信。このファクスは同大の臼井正彦前理事長(贈賄罪で在宅起訴)が保管していた資料の中にありました。同大が東京地検から提供を受けた臼井氏の資料には、この議員を含め政治家と思われる記載が散見されました。

 この関係者は入試について依頼したことは認めたものの、この議員と臼井氏のどちらとも金銭のやり取りはなかったとしています。第三者委は「政治家から受験生に関する依頼があったことは事実であると思われる」と評価。ただ、臼井氏や政治家らへの調査はしておらず、「それ以上の事実関係は確認できなかった」としています。

 国会議員が関わったケースは、ほかにもあります。2013年度の看護科入試では入試前に臼井氏が、ある受験生の受験番号を看護科職員に伝え、「(同受験生を)どうにかしてもらいたい」と指示。臼井氏はこの職員に対し、当時国会議員だった人物(前述の国会議員とは別人)からの依頼であると伝えています。この受験生は、成績上位者を飛び越えて補欠合格しています。

 臼井氏らの資料からは裏口入学の謝礼が支払われていたことも判明しました。臼井氏にあてた特定の受験者に配慮を求めた手紙には、「もし入学を許されましたら(中略)寄付は3千万円は用意するつもりでおります」と記載されていました。

 また臼井氏作成のメモには受験者名の横に「1000」「2000」「2500」などの記載がありました。第三者委は寄付と裏口入学に「何らかの関連性があった可能性がある」と指摘しています。

 第三者委はこのほかに、一般公募推薦入試で試験問題が漏れていた疑いを指摘。ある受験生が「試験問題が手に入った」と通っていた予備校で話していたという情報提供があったとしています。この受験生は小論文で1位の点数を取っており、第三者委は「合理的な疑いの余地を残す」としています。

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