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2018年12月30日(日)

がん患者死亡前 4割が苦痛

初の全国遺族調査

 がん患者が亡くなった場所で受けた医療や介護サービスへの満足度は高い一方、4割が亡くなる前の1カ月間に痛みなどの体の苦痛を抱えていたことが、初の全国的な遺族調査で分かりました。

 調査は国立がん研究センターが厚生労働省の委託を受け、今年2~3月に実施。がん患者が亡くなる前に利用した医療や療養生活について患者の遺族1630人から回答を得ました。亡くなった場所は自宅38%、介護施設・老人ホーム29%、病院27%、ホスピス・緩和ケア病棟5%でした。

 8割が患者の苦痛症状に対し、医療者に速やかに対応してもらったと回答した一方で、最後の1カ月に痛みや吐き気、呼吸困難などの苦痛があった割合は、「どちらともいえない」を含めて42%でした。最後の1週間では27%が強い痛みを感じていました。

 介護した家族自身の負担感が大きかったと答えたのは42%。死別後に抑うつ症状が表れた人は17%に上り、家族の介護負担やその後の精神的な負担が高いことが示されました。

 在宅訪問診療や介護保険サービスについては、死亡前6カ月間に利用した人の満足度が高い一方で、同期間に介護保険を利用しなかった人では23%が「申請したが利用できなかった」と回答しました。

 センターは「結果から見えてきた患者さんの体の苦痛と気持ちのつらさを軽減できるよう政策に反映し、医療の改善につなげていきたい」と話しています。


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