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2018年12月18日(火)

きょうの潮流

 安倍首相自ら宣伝し他国に売り込んできた、原発輸出戦略が行き詰まりを見せています。今月、日本政府と三菱重工業がトルコの原発建設計画を断念する方向でトルコ政府と調整に入ったと伝えられます。英国での建設計画も出資企業が集まらず難航…▼東京電力福島第1原発事故を受け安全対策費用がかさんで、建設費が当初の想定の2倍以上に膨らんだためです。「原発は安くない」という原発を取り巻く状況を示したものです。福島事故後、日本の原発メーカーがかかわる建設計画で見通しが立たなくなった例は他にも▼リトアニアでは原発建設の是非を問う2012年の国民投票で「反対」が多数に。14年には台湾で2基の建設停止を決定。16年にはベトナム国会が原発建設計画を白紙に▼コストや事故の危険の大きな原発。だからでしょうか、日本の電力会社などは国民にコストを押しつけないとやっていけないと、公然と主張しています。原発事故での賠償制度を定める原子力損害賠償法の見直しに向けた有識者会議でのことです▼電力会社の代表はこういいます。「事業者責任を超える賠償は国が責任を負う仕組みに」「(支払い能力を超えるものは)国に払っていただきたい」と。事故が起きたら支払い能力はありませんというのです▼それでも原発を再稼働させ輸出したいという無責任さ。原発を売り込む理由を安倍首相は「事故の教訓を世界に共有する」とうそぶきます。原発撤退へ動く流れこそ、福島事故から学んだ世界の教訓です。


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