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2018年12月3日(月)

沖縄戦くり返すのか

「残存兵30%」 石垣島民が怒り

赤嶺議員暴露の防衛省文書

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(写真)石垣島へ本土から増援部隊を派遣し、「どちらかの残存率が30%になるまで戦闘を実施」と記されている内部文書

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(写真)内部文書にある地図。人口が多い石垣市(南端)を中心に激しい戦闘を想定しています

 自衛隊が沖縄県の石垣島に侵攻した敵と凄惨(せいさん)な戦闘を行い、「どちらかの残存率が30%になるまで戦闘を実施する」―。日本共産党の赤嶺政賢議員が11月29日の衆院安保委員会で暴露した防衛省の内部文書「機動展開構想概案」(2012年3月29日付)に対し、地元住民から驚きと怒りの声が上がっています。

 同文書は、尖閣諸島や沖縄の先島諸島などの島嶼(とうしょ)部の軍事態勢を検討する「機動展開ワーキング・グループ」が作成した中間報告書。今年3月に創設された「島嶼防衛」専門部隊の水陸機動団や石垣・宮古・奄美などへの自衛隊基地建設・ミサイル部隊配備の動きなど、安倍政権の下で進む南西諸島への自衛隊増強の動きの源流ともいえるものです。

 同日の委員会で、防衛省の西田安範整備計画局長は、2010年12月から13年12月にかけて省内に同グループが設置されていたことを認め、「内部検討の成果は、現在の(防衛)大綱や中期防の内容に反映されている」と答弁しました。

 報告書は、日米の「抑止力」が破綻したもとでの「島嶼奪回」での自衛隊の任務を示しています。想定されているのは(1)石垣島に3個の海軍陸戦大隊、4個の空挺(くうてい)大隊の計4500人が侵攻(2)事前配備された自衛隊普通科連隊2000人が島全域で対戦し、残存兵力は538人まで減少(3)本土から1774人を増援し、最終的に899人が残存して島を奪回する―というもの。

 文書に掲載されている地図(下)には、約5万人の人口を抱える石垣市をはじめ、各地が戦場になることを想定しています。しかし、文書は、「住民保護」については「自衛隊が主担任ではな」いとして想定外だとしています。太平洋戦争末期(1945年)の沖縄戦では、旧日本軍は住民を見捨て、12万人ともいわれる県民が戦闘の犠牲になりました。

 防衛省は現在、500~600人規模の部隊配備を狙い、建設予定地の環境調査や用地取得も終わっていないのに、住民の反対を押し切り工事を強行しようとしています。悲惨な沖縄戦が起こったのも、旧日本軍が「本土防衛」のために基地を建設したことがきっかけでした。

 「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」事務局の藤井幸子さんは「こんなに具体的な戦争計画が立てられていたのかと、ショックでした。まるで住民がいないかのように戦闘を想定しています。罪のない一般人を犠牲にした沖縄戦を繰り返すつもりでしょうか。島に基地ができればこうしたリスクを呼び込んでしまうのだと改めて感じました」と嘆息をつき、住民の間で衝撃が広がりつつあるといいます。「戦争が始まれば、海に囲まれた島に逃げ場はありません。基地賛成派の人たちにも本当にこのままでいいのかと、対話を広げるきっかけにしていきたい」


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