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2018年12月1日(土)

きょうの潮流

 自由や権利は、国民の不断の努力なくして保持できない。1日公開の韓国映画「共犯者たち」(東京・ポレポレ東中野)で教えられました▼李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権と韓国で2代続いた保守政権による言論弾圧と、それへの反撃を描いたドキュメンタリー映画です。ここでいう共犯者とは、権力の“飼い犬”になった二つの公的放送局KBSとMBCの幹部たち。主犯は大統領(当時)です▼暗黒の時代は、約9年間にわたりました。政治介入の始まりは2008年。米国産牛肉の輸入問題の報道で、李政権が大打撃を受けたことがきっかけです。まず社長を解任し、政権の意のままになる社長を送り込む。調査報道チームを解散する一方で政権の広報番組を開始。弾圧はすさまじく警察も動員されます▼その過程で犠牲になったのは、“真実”です。朴政権の下、二つの放送局は修学旅行中の生徒ら約300人が犠牲となったセウォル号惨事を「全員救助」と誤報。「国家の私物化事件」でも真実を隠ぺいする偏向報道が続きました▼映画のエンドロールで報道の自由のためにたたかって懲戒されたジャーナリストたち約300人の名前が流れます。MBC労組は放送の正常化を求めて170日間のストライキ。チェ・スンホ監督自身、MBCを不当解雇された一人。現在はMBCの社長として改革に着手しています▼映画は朴政権の誕生と同時に生まれた独立メディアが製作。市民の寄付で完成しました。市民とジャーナリストの連帯。学ぶことは多い。


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