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2018年11月27日(火)

森友 値引きに根拠なし

試掘写真は使い回し

辰巳氏、解析結果示し追及

参院予算委

 日本共産党の辰巳孝太郎議員は26日の参院予算委員会で、学校法人森友学園への国有地8億円値引き問題をめぐり、独自の解析をもとに、値引きの根拠とされた試掘現場の写真が使い回しされていたと告発しました。石井啓一国土交通相は使い回しの可能性を認める一方、国交省として調査する意向は示しませんでした。


写真

(写真)質問する辰巳孝太郎議員=26日、参院予算委

国交相「可能性ある」

 写真は、地中ゴミの深さを示す試掘現場とされ、国交省が値引きの根拠として国会に提出した報告書に添付されたもの。工事を担当した藤原工業が、同委員会理事会に元データを提出したことを受け、辰巳議員事務所が専門家に依頼して解析しました。

 辰巳氏は、解析の結果、別々の地点で撮影したとされる3枚の写真に同一の物体が複数写っており、2枚については縮尺を合わせるとぴったり重なると指摘。撮影日時を秒単位で解析すると、約50メートル離れた地点を14秒で移動したことになっているとも指摘し、「同じ穴を撮った写真が、別の地点の写真として使い回しされている。国交省はでたらめな資料をもとに、8億円もの値引きを決めた」と追及しました。

 石井国交相は「同じ写真の可能性はある」と認めました。他方で、「(事実関係を)業者に確認しているが回答がない」と述べるだけで、同省自らデータを解析する考えは示しませんでした。

 辰巳氏はさらに、「3・8メートル」より深い地点からゴミが出た証拠とされた別の3枚の写真について、掘った跡だけが写った1枚と、深さを示すメジャーが写った2枚で撮影日が違うことが分かったと指摘。その間に国と工事業者が、3メートルより深い地点からゴミが出たと“口裏合わせ”した音声データが明らかになっているとして、「写真を撮り直し、口裏合わせに符合した報告書をつくったということだ。値引きの根拠は崩れた」と迫りました。

 安倍首相は答弁に立たず、値引きの妥当性を説明しませんでした。辰巳氏は、徹底解明が必要だとして、国交省担当者と工事業者の国会招致を求めました。


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