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2018年11月26日(月)

志位委員長が亀井静香氏と対談 『月刊日本』

「日米安保いらない」亀井氏

「共産党と一緒だ」志位氏

写真

(写真)『月刊日本』対談、志位和夫委員長と亀井静香元衆院議員

 「天皇については考えが違うけど、あとはだいたい一致する点が多いね。今日はあなたの話が聞けて良かった」(亀井静香元衆院議員)、「こちらこそ亀井さんが『資本論』に賛成で、日米安保はいらないという立場だとわかって良かった」(日本共産党の志位和夫委員長)

 雑誌『月刊日本』12月号で、亀井、志位両氏の“異色対談”が8ページにわたって掲載され話題になっています。自民党政調会長を務め、同党を離党し保守政党「国民新党」を結党した亀井氏からは「自民党は本当に柔軟性を失ってしまった」との苦言も。米軍基地、日米安保、北東アジア問題、野党共闘、天皇制など幅広いテーマで議論が交わされました。天皇制については立場が異なったものの、随所で両氏の意見が一致しました。

「共感する点多い」

 対談は11月7日に行われました。亀井氏は、学生時代から共産党に興味をもっていたと振り返り、「いまも共産党が内政について言っていることは、私の知っている範囲では共感する点も多い」と発言。「より良い権力を構築していこうとする勢力がもっと出てこなければならない」と語りました。

 志位氏は、亀井氏が市場原理主義に反対している点にふれ、「国民の権利や暮らしを守るルールを作り、ルールなき弱肉強食の社会を変えていく。これは同じ方向かなと思っています」と応じ、沖縄のたたかいを源流とする市民と野党の共闘の歴史的意義を強調しました。

 その沖縄を苦しめる米軍基地問題。亀井氏は「アメリカから見れば、日本は最前線の軍事基地なんですよ。そんな基地は引き上げてもらわなきゃならない」ときっぱり。「共産党と一緒じゃないですか」と志位氏が応じると、「米軍基地が引き上げたって、日本は痛くも痒(かゆ)くもない。日米安保だっていらないんですよ。冷戦時代は終わっているんだから。いまはどの国とも仲良くしようという時代になっているのだから、軍事同盟は有害なだけだ」と述べるなど、安保条約廃棄でも一致しました。

「大東亜共栄圏」?

 日本共産党が提唱する「北東アジア平和協力構想」や、徴用工問題の見解を説明した志位氏は、日本政府が北東アジアで平和のイニシアチブをとり、「アメリカの言いなりになるのではなく、対等・平等の国家間の連携を作っていくことが大切じゃないですか」と問いかけると、「あなたが言っているのは大東亜でしょう」と亀井氏。「大東亜共栄圏のように盟主がいるわけじゃないから、大東亜共栄圏とは違うんですよ」と志位氏が語ると、亀井氏が「戦前の大東亜共栄圏は帝国主義的支配をするためのものだったからね。あれは間違いだった。対等な関係が重要です」と、外交問題でも意気投合する場面もありました。

野党共闘にエール

 いまの安倍自民党について「官邸にいる新自由主義者たちが考えた政策がそのまま自民党の政策になってしまっている」と亀井氏は痛烈に批判。志位氏は、書記局長時代に行った橋本龍太郎首相との国会論戦では首相が質問にかみ合わせて答弁したので「ものすごく面白かった」が、安倍首相は「聞いていることに答えないで、いかに時間を潰(つぶ)すか、いかに逃げるかしか考えていない」と政権の劣化ぶりを指摘。亀井氏は「多数決原理だけでいくとファッショになる」と語りました。

 来年の政治戦に話が及び、亀井氏は「来年は間違いなく衆参同時選挙になるから、そうなれば自民党は過半数を割るよ」との見方を示しました。「仮に衆参同時選挙を打ってきたら、衆参両方で一気に自民・公明と補完勢力を少数に追い落とせるように対応したい」と語った志位氏に、亀井氏は「それができるかどうかは共産党次第よ。あなたがいまやっているように、共産党だけでなくトータルとして野党が勝つことを考え、野党共闘がどんどんできれば、自民党は負けるよ」とエールを送りました。

 このほか、共産党の草の根の活動などをめぐっても突っ込んだ対談となり、このなかで亀井氏が「私も資本論は否定しないよ。全部読んでいるんだから」と語り、社会の共同体をどう発展させるのかも議論になりました。


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