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2018年11月21日(水)

障害者雇用

水増し 徹底検証して

参院委 参考人ら怒りの声

倉林議員が質問

写真

(写真)質問にこたえる参考人=20日、参院厚労委

 参院厚生労働委員会は20日、中央省庁の障害者雇用率水増し問題について、障害者団体の関係者らを招いた参考人質疑を開きました。参考人からは、水増し問題への憤りとともに徹底検証を求める声があがりました。

 さいたま市で精神障害者支援を行う「やどかりの里」の増田一世常務理事は、水増しについて「働いて生計をたてたいと願う人たちの働く機会を40年あまりも奪ってきた」と批判しました。「(政府の検証委員会の報告書は)長年にわたる法律違反がなぜ続いたのか全く解明されていない」と指摘し、障害者が参加する徹底的な再検証の場を設けることを要求。障害者採用を進めると同時に、通勤支援など合理的配慮や職場環境整備の必要性を強調し「数合わせの障害者雇用にならないよう細心の注意と準備が必要」と語りました。

 日本盲人会連合の竹下義樹会長は、眼鏡をかけて視力が「1・0」の人も障害者とカウントしてきたことについて「非常に悔しく、腹立たしい思い」と語りました。竹下氏は今回の問題を「日本の障害者雇用のあり方を抜本的に見直す機会にしていただきたい」と発言。障害者採用試験に関しては、音声パソコン活用など各受験者が能力を発揮できる方法での実施を求め、「それは採用後の合理的配慮に結び付く」と強調しました。

 日本共産党の倉林明子議員は質疑で「立法府として徹底解明が求められている」と表明し、参考人に問題の背景に何があると考えるかを聞きました。

 増田氏は、障害者権利条約第8条には、障害者に関する社会全体の意識向上のための取り組みを掲げていることを紹介し、「そこに書いていることが各省庁でまったく顧みられてこなかったと思う」と語りました。

 参考人質疑では、全国手をつなぐ育成会連合会・久保厚子会長、全国精神保健福祉会連合会・本條義和理事長、株式会社ゼネラルパートナーズの戸田重央氏も陳述しました。


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