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2018年11月21日(水)

きょうの潮流

 「コストカッター」の異名は日産自動車に来る前から付いていました。仏タイヤ大手にいたカルロス・ゴーン氏は90年に米国で同業の買収に成功。その後に三つの工場を閉鎖した頃からついて回るようになったと▼ルノー自動車に移ると、すぐに「200億フラン削減計画」を発表。衝撃を走らせ、3千人が働くベルギーの工場を閉めたときには抗議の嵐が欧州全土に広がりました(『カルロス・ゴーン 国境、組織、すべての枠を超える生き方』)▼日産の社長になると欧州ではできなかった大リストラを断行。2万人もの人員削減や工場閉鎖、派遣切りや下請け企業の切り捨て。どれだけ多くの痛みや犠牲が必要となるか痛いほどわかるといいながら、一顧だにしない「改革」でした▼その対価は年間10億円もの巨額の報酬。しかし、それさえも半分に偽っていたとして逮捕されました。労働者を路頭に迷わせながら、法を犯してまで私腹を肥やす。“カリスマ経営者”としてもてはやされた人物の、なんといじましくみじめな姿か▼資本の論理をむき出しにしたゴーン流は、自民党が進めてきた規制緩和と一体となって日本社会にリストラや成果主義をまん延させました。それは安全や品質を置き去りにし、ものづくりを衰退させました▼ルールなき資本の貪欲さ、富の格差の広がり、労働者いじめ。安倍政権が推し進める政策にもつながっています。「ゴーン改革」がまかり通る利益最優先の流れ。それを断ち切るのは労働者のたたかいです。


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