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2018年11月8日(木)

2018米中間選挙

性差別・移民…トランプ氏に審判

女性議員最多の勢い

下院最年少記録も更新

 【ワシントン=遠藤誠二】6日に実施された米国の中間選挙では、医療保険、銃規制、教育の向上、環境保護、移民や女性、性的マイノリティーの権利向上など、トランプ大統領が背を向ける政策が大きな争点となりました。

 トランプ大統領の政策に有権者が批判票を投じたことで「ブルー・ウエーブ(民主党のうねり)」が起こり、下院では共和党は過半数を割り、8年ぶりに少数派になりました。

 女性の当選者は「史上最多となる勢い」(米メディア)です。下院では、女性下院議員の最年少記録を更新した民主党のオカシオコルテス氏(ニューヨーク州14区)が勝利しました。ミシガン州13区では、ラシダ・タリーブ氏がパレスチナ系として初当選。ミネソタ州5区では、8歳で内戦下の祖国ソマリアを脱出し渡米したイルハン・オマル氏が勝利し、タリーブ氏と共に米史上初のイスラム教徒女性の連邦議会議員になりました。

 イリノイ、ミシガン、ニューメキシコ州などの知事選では、民主党が共和党から知事職を奪還しました。

 選挙戦後半まで苦戦を強いられていたトランプ大統領と共和党陣営は、「政策が急進的すぎる」「リベラルだ」などと民主党候補者への個人攻撃を展開。最終盤には、中米から米国にむけて行進している数千人の難民申請希望者に焦点をあて、「犯罪者が交じっている」と根拠のない批判を繰り返しました。メキシコとの国境へ米軍派遣を実行するなど、危機をあおり支持奪回に躍起になりました。

 下院選での劣勢巻き返しには結びつきませんでしたが、上院では激戦が展開されたテキサス州で共和党現職が引き続き議席を得ました。共和党は、フロリダ、ノースダコタ両州で議席を奪還。一方、ネバダ州の上院選では民主党が議席を奪還しました。

 米メディアによると、期日前投票を行った人は前回14年の中間選挙より45%多い約4000万人。中間選挙としては史上最高となる見通しで、有権者の高い関心を示しました。

知事選 サンダース派が善戦

フロリダ、ジョージア2州

 【マイアミ=池田晋】米南部フロリダ州で6日、中間選挙と同時実施された住民投票の結果、少なくとも140万人にのぼる「重大犯罪」の前科者に選挙権を回復させる州憲法の改正が実現しました。同州はこうした犯罪歴のある市民の選挙権を永久的に停止させる規定を保持してきた全米でも数少ない州の一つで、市民らが署名を集めて時代遅れの社会的慣行に終止符を打ちました。

 対象になるのは、刑罰を終えた市民で、殺人、性犯罪の前科者は除かれます。

 住民投票の実現と賛同への呼びかけに運動を続けてきたフロリダ権利回復連合のデズモンド・ミード代表は同日、全米で過去の犯罪歴を理由に約600万人が投票できず、そのうちの約25%をフロリダ州が占めており、「全米で最悪の州だ」と指摘。「私たちは民主主義国家にいる。過去の過ちがあろうとも、市民に再び選挙権を認めることができる」と強調しました。

 同連合のニール・ボルツ政治部長は、7割以上の人は禁錮刑も言い渡されない不法侵入などといった罪で選挙権を永久停止され、「重大犯罪」の言葉のイメージとは大きく異なると話しました。

 全米市民自由連合によると、ケンタッキー、アイオワ、バージニアの3州には依然こうした制度が存在。アフリカ系米国人は13人に1人が重犯を理由に選挙権が剥奪されているのに対し、非アフリカ系は56人に1人の割合でしかありません。


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