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2018年11月8日(木)

主張

米中間選挙

「トランプ政治」に厳しい審判

 米中間選挙は、野党・民主党が下院で8年ぶりに多数派を奪還し、この2年間の「トランプ政治」に対する有権者の厳しい審判となりました。上院は与党・共和党が過半数を維持したものの、人口で全米第2位のテキサス州で与党現職が大苦戦を強いられるなど、トランプ流「アメリカ第一」政策への国民の怒りと不信があらわとなりました。

有権者の危機感

 トランプ政権のもと、米国はこの2年間、かつてないような政治の“暴風雨”にみまわれてきました。大統領を先頭とする政権高官による女性などへのあからさまな差別的発言、移民への攻撃的言動、弱者の人格を否定するような態度などが社会の分断と対立を助長し、ソーシャルメディアを通じて事実関係を意図的に軽視し、ゆがめた政敵たたきなども横行しました。冷静な対話が成り立たない極端な政治の硬直化が進行しています。

 もともと、トランプ大統領の当選自体が、アメリカ社会の危機的様相の反映でした。地域社会の経済的行き詰まり、中間層の生活の地盤沈下など、国民生活を犠牲にしたグローバル化のあり方への批判を背景に登場したトランプ氏に、将来への不安と危機感を募らせた白人労働者層などの支持が集まったものでした。

 わずか2年後の中間選挙で、失業率が歴史的な低水準という“追い風”にもかかわらず、与党に厳しい結果となった根底には、富裕層・経済界重視の大減税と規制緩和に終始するトランプ大統領への国民の批判があります。格差と貧困の広がりをただせず、旧来の既得権の維持から離れられない既成政治への有権者のいら立ちです。

 自由貿易への国民の不満を移民排斥の動きと結び付けて分断をあおるトランプ流の政治手法の是非も大きな問題となりました。

 中米からの移民問題を抱えるテキサス州で、冷静な対話を呼びかける無名の民主党候補が、大統領候補としても名前があがる共和党現職の移民強硬派に大接戦の健闘となったことは、トランプ流「米国第一」手法へのイエローカードです。

 選挙結果が、中国への関税強化など“貿易戦争”を演出するトランプ経済外交、地球温暖化対策のパリ協定やイラン核合意からの離脱、核軍拡路線などの新たな単独主義の動きにどう影響するかが注目されます。

 社会対立をあおるトランプ政治に、市民たちが敢然と立ち向かったことが変化をつくりました。若者たち、女性たちが「レジスタンス」や「革命」をキーワードに運動の輪を広げ、投票率を引き上げました。下院では過去最多となる100人以上の女性が当選し、圧倒的多数が野党民主党からの議席で、トランプ政治の女性蔑視姿勢への強烈な反撃となりました。

広がる新たな運動に注目

 ニューヨーク州から史上最年少・29歳の女性下院議員となったオカシオコルテス氏は、“民主的社会主義”を掲げるサンダース上院議員の選挙運動員だった経歴とも合わせ、注目されました。「労働者階級の代表」を掲げ、草の根運動を展開して学生・若者を中心に支持を集めた動きには、既成“二大政党”の限界をこえた、新しい政治への有権者の期待もあらわれています。


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