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2018年10月28日(日)

医師増員・診療報酬増を

「働き方改革」で医療は?

東京でシンポ

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(写真)「医師の働き方改革」について話し合うシンポジウムの出席者=27日、東京都千代田区

 国が進める「医師の働き方改革」によって医師不足や医療崩壊など現場が抱える問題はどうなるのか考えようと27日、東京都千代田区でシンポジウムが開かれました。幅広い医療関係者でつくる「ドクターズ・デモンストレーション実行委員会」の主催。約70人が参加しました。

 厚労省の検討会は医師の時間外労働の上限の設定などの方向性を今年度中にまとめる予定ですが、医師不足を抜本的に改める議論なく進められています。医療現場で働く出席者から、医師増員を求める声が相次ぎました。

 全国保険医団体連合会の竹田智雄理事は「最大の課題は、医療の質を落とさず医師の過酷な勤務環境を改善すること。医師の労働環境を整えてこそ、安全で質の高い医療が提供できる」と主張。必要医師数が確保されるまで計画的な医師養成と、診療報酬の拡充が必要だと訴えました。

 全国医師ユニオンの植山直人代表は、医師不足のまま「働き方改革」が進められれば「深刻な地域医療の崩壊が懸念される」と述べました。全国自治体病院協議会の原義人副会長は、医師の偏在による地域格差を指摘し「地域偏在が解消されない限り医師数は足りているとはいえない。地域医療の継続性と医師の健康への配慮の両立を基本理念とし、国民的議論が必要」と強調しました。

 全日本病院協会の美原盤副会長は、同協会会員病院を対象にした医師の働き方改革アンケートの結果を示し「約半数の病院が医師増員なしには現状の救急体制が維持できないと回答した」と紹介しました。

 医療制度研究会の本田宏副理事長が司会を務めました。


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