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2018年10月23日(火)

きょうの潮流

 韓国の劇映画「1987、ある闘いの真実」が評判です。全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領の軍事政権下の韓国を舞台に、実際の民主化抗争をモチーフにした物語。圧巻のラストシーンに劇場で涙をぬぐう観客の姿も▼軍事独裁から民主化への画期となった抗争は、1987年1月、一人の大学生の拷問死事件から始まりました。必死に事実を隠ぺいしようとする権力。それに対し、新聞記者や宗教家たちが真実を明るみに出そうと奔走します。息詰まる展開。連携プレーに胸が熱くなります▼その年の6月9日、民主主義の実現を求める学生デモで、延世大学の学生が催涙弾の直撃を受けます。7月9日の彼の葬式には、100万人の人々が葬列に参加したといわれています▼その学生、イ・ハニョルの記念館をソウルに訪ねました。倒れた時に着ていた青いトレーナーと汚れたジーンズが展示されていました。横浜から来たという32歳の女性も、やはり映画「1987」を見て来たそうです▼これがわずか31年前のできごとであったことに衝撃を覚えます。その頃、日本はバブル時代に突入。隣国の惨事については、まるで知りませんでした。当時、高校生のチャン・ジュナン監督は、ドイツ人記者が撮影した光州事件(80年)の映像に衝撃を受けたことが、今回の映画化の契機だったと本紙日曜版(9月2日号)で語っています▼ここから学ぶことは何か。監督は言います。「デモをする人々を見て、自分も歴史の主人公だと感じられる体験を観客にしてもらえたら」と。


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