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2018年10月20日(土)

15・7メートル津波「考えず」

東京地裁 東電公判で元副社長

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の第32回公判が19日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれ、元副社長の武黒一郎被告(72)の被告人質問が行われました。

 東電は2008年3月、国の機関が02年に公表した地震予測「長期評価」に基づき最大15・7メートルの高さの津波が福島第1原発に襲来するという計算結果を得ていました。検察官役の指定弁護士は15・7メートルの津波が現実に襲来して「建屋への浸水など、どんな事態になるのか考えなかったのか」と追及。武黒被告は「考えておりません」などと述べました。

 また部下の供述証書で08年2月に3被告も出席した「御前会議」で津波対策の方針が了承されたとする内容について「強引だ」と否定しました。

 武黒被告は当時、原子力部門トップの原子力・立地本部長で、元副社長の武藤栄被告(68)の上司。

 15・7メートルの計算結果について、16、17両日の公判で武藤被告は08年6月の会議で説明を受けたものの、7月末には「信頼性がない」などと判断し、対策を進めるのではなく、土木学会にその妥当性について検討を依頼したと証言。同年8月初めに武黒被告に「土木学会の検討結果に応じて津波対策が必要になる」と説明したと証言しました。これについて武黒被告は「記憶はありません」と答え、計算結果を知ったのは、09年4~5月で、当時、原子力設備管理部長だった吉田昌郎元第1原発所長(故人)から報告を受けたと述べました。

 次回公判は30日で、引き続き武黒被告と勝俣恒久・元会長(78)の被告人質問が行われる予定です。


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