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2018年10月19日(金)

主張

在日米軍地位協定

異常な特権なくす抜本改定を

 沖縄県で米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属ヘリの不時着が相次いだのを受け、防衛省が機体整備の状況を確認するため求めていた自衛官派遣に米軍がいまだ応じていないことが分かりました。9カ月近くたっても派遣を受け入れない米軍とこれに毅然(きぜん)と対応できない日本政府の責任は重大です。同時に、こうした事態は在日米軍に異常な特権を与える日米地位協定を抜本的に改定する必要性を改めて浮き彫りにしています。

自衛官立ち入りできず

 防衛省が自衛官の派遣を求めたのは、1月に普天間基地に所属するヘリが立て続けに不時着したためです。その前月(昨年12月)にも同基地所属ヘリが保育園や小学校に部品や窓を落下させる事故があったばかりで、県民の批判の声が高まっていました。

 当時の小野寺五典防衛相は、米側から不時着を繰り返したヘリ(AH1Z)の同型機全ての追加点検や抜き打ち検査をしたとの説明があったとしつつ、「これを私どもはそのまま受け取るわけにはいかない」とし、「今後速やかに自衛隊の専門的・技術的な知見を活用して確認・検証を行う」と自衛官派遣を表明していました(1月29日、衆院予算委員会)。

 ところが、2月1日に予定されていた派遣は「米側からさらなる準備が必要となり、延期したいとの旨の連絡があった」として行われませんでした。日本共産党の赤嶺政賢議員は同23日の衆院予算委分科会で、政府は主権国家として恥ずかしくない態度で米側と交渉し、事故調査に参加できるようにすべきだと強く求めていましたが、今に至るも実現していません。

 しかも、防衛省が派遣「延期」の理由を「相手国との関係もあり、答えは差し控えたい」(今月12日、岩屋毅防衛相)として明らかにしていないのも大きな問題です。

 自衛官派遣に米軍が応じないこととの関係で、改めて焦点となっているのが日米地位協定です。

 日米地位協定は米軍に基地の排他的管理権を認め、日本側の立ち入り権を明記していません。

 日本とは対照的に、ドイツでは、NATO(北大西洋条約機構)諸国との取り決めで、政府や州、地方自治体による基地の立ち入り(アクセス)とともに、緊急時の事前通告なしの立ち入りも規定しています。イタリアでは、米国との取り決めで、自国司令部の下に米軍基地が置かれ、自国司令官は機密区域を除き全ての区域に自由に立ち入ることができると定めています。(国立国会図書館・調査及び立法考査局「レファレンス」8月号の論文)

 沖縄県が行ったドイツ、イタリアの地位協定に関する調査でも同様の結果が報告されています。日本の実情はあまりにも異常です。

知事会が一致して要求

 全国知事会は7月、翁長雄志沖縄県知事(当時)の要請を受けて採択した「米軍基地負担に関する提言」で、日米地位協定を抜本的に見直し、航空機の安全航行を目的にした航空法をはじめ日本の国内法を米軍にも原則適用することや、事件・事故時の自治体職員の迅速・円滑な立ち入りの保障などを明記するよう求めています。

 日米地位協定の抜本改定は独立国として当然の要求であり、政府に実現を迫る運動と世論を広げることが必要です。


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