2018年10月18日(木)
将棋新人王戦 16歳 圧巻の初優勝
藤井七段 快調の寄せ
出口三段 気合の角打ち
藤井聡太七段(16)と出口若武(わかむ)三段(23)の10代対20代の対決となった第49期新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負は藤井七段がストレートで決着をつけました。
|
第2局は小木曽陽司赤旗編集局長の立ち会いのもと、25社50人を超える報道陣が詰めかけるなか、藤井七段の先手で、角換わり腰掛け銀、下段に飛車を構える最近流行する戦型でのたたかいとなりました。
開始から20分もたたないうちに36手目まで進む早い進行は、お互いに日ごろの研究があることを感じさせました。
出口三段の56手目☖4六角に藤井七段の手が止まりました。ここまで出口三段の消費時間はわずか3分。立ち会いの糸谷哲郎八段は「この角打ちは研究していないと指せません。出口三段の気合の表れです。藤井七段も長考に沈むのではないか」と指摘しました。
藤井七段は約30分考えて☗4五角と打ち、飛車を狙います。続く出口三段の☖8四飛に糸谷八段は「この手はちょっと」と首をかしげました。
昼食は藤井七段が、温うどん付きお弁当、出口三段がしょうが焼き定食。
昼食後は、藤井七段が☗4三歩の王手から快調に攻めを続け、勝ち切りました。
勝った藤井七段は「想定していない手(46手目☖2五同歩)を指されて、そこからは一手一手探るという感じでした」と一局を振り返りました。朝からマスクをつけての対局でしたが、対局後、「風邪ぎみでしたが、いまはだいぶ治っています」と安心した表情を見せました。
出口三段は「序盤は定跡でしたが、大丈夫と思った変化が全然大丈夫じゃなかったです。またこういう大きな舞台で指したい」と、プロデビューをめざす決意を語りました。
池田将之さんによる将棋の新人王戦決勝三番勝負第1局の観戦記は「しんぶん赤旗」19日付から、田中幸道さんによる第2局の観戦記は、同29日付から掲載予定です。
|