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2018年10月18日(木)

主張

辺野古新基地建設

どんな強圧・強権も通用しない

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、翁長雄志前知事の指示に基づき県が埋め立て承認を撤回したことに対し、安倍晋三政権が対抗措置に乗り出してきました。沖縄県知事選で、辺野古新基地反対を掲げた玉城デニー氏が過去最多の得票で圧勝した県民の歴史的な審判へのあからさまな挑戦です。首相は知事選後、デニー知事との会談で「県民の気持ちに寄り添う」と述べていました。県民を欺瞞(ぎまん)し、民主主義を平然と破壊する行為を許すことはできません。

国の対抗措置は違法行為

 米海兵隊普天間基地(同県宜野湾市)に代わる新基地建設をめぐっては、沖縄県が8月31日、辺野古の埋め立て承認を撤回したことで政府は法的根拠を失い、工事は停止しています。9月30日の県知事選では、デニー氏が「辺野古に新基地は造らせない」と訴えるとともに、県の埋め立て承認撤回を引き継ぐと公約し、安倍政権が全面支援した相手候補に圧倒的大差をつけて勝利しました。

 今月12日、デニー氏は安倍首相との会談で、今回の知事選で辺野古新基地反対の民意が改めて示されたと伝えたばかりです。首相も会談で「県民の気持ちに寄り添いながら基地負担の軽減に向けて一つひとつ着実に結果を出していきたい」と述べていました。

 その舌の根も乾かないうちに安倍政権は17日、県民の意思に真っ向から背く対抗措置に着手しました。防衛省沖縄防衛局が、行政不服審査法に基づき、▽県による埋め立て承認撤回を取り消す審査請求▽その結論が出るまで県の決定を執行停止にする申し立て―を、公有水面埋立法を所管する石井啓一国土交通相に行ったのです。

 しかし、行政不服審査法による対抗措置は、同法の目的に反する悪質極まる違法行為です。

 同法は、違法・不当な公権力の行使から「国民の権利利益の救済を図る」のが目的です。新基地建設を推進する安倍政権の防衛相の下で工事を強行してきた沖縄防衛局が「一般国民」を装って審査請求や執行停止の申し立てをし、同じ政権の国交相が審査庁となって県の埋め立て承認撤回の効力を失わせるというのは、「自作自演」「出来レース」でしかありません。

 安倍政権は2015年10月に当時の翁長知事が辺野古の埋め立て承認を取り消した際も、同じ対抗措置を取りました。この時、行政法の専門家からも厳しい批判が上がり、政府は16年3月、埋め立て承認の代執行をめぐる訴訟で県と和解し、審査請求と執行停止の申し立てを取り下げています。それにもかかわらず、何の反省もなく再び同じ手法を使うのは、安倍政権が追い詰められ、手詰まり状態にあることの反映です。

不屈にたたかうことこそ

 県の埋め立て承認撤回の通知書が指摘しているように、辺野古新基地の埋め立て予定海域には軟弱地盤が存在します。仮に工事の再開が強行されたとしても大規模な地盤改良が必要とされ、デニー知事の承認が不可欠になります。

 安倍政権の国家権力を総動員した攻撃を打ち破り、デニー知事の誕生を勝ち取った県知事選が示したのは、あきらめず不屈にたたかい抜けば、どんな強圧・強権も通用しないということです。新基地建設を許さない世論と運動をさらに大きく広げることが必要です。


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