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2018年10月17日(水)

きょうの潮流

 やがて「消費税を導入してよかった」と感じていただける日が来ることと信じております―。10年越しの執念を実らせたときに竹下登首相が残した談話です▼1989年4月。国民の猛反対を押しきって強行された消費税が実施されました。当時首相だった竹下氏は後に政治家が重大な決断をする際に考えていることを問われ、「声の大きいほうへなびくのはいけない」と。声の大きいのが世論で、それにへつらってはいけないと回顧録で述べています▼それから30年となる来年10月、安倍首相が消費税を10%に増税すると宣言しました。こちらも多くの反対や批判が渦巻くなかで。深刻なのは今の経済状況のもとで増税すれば消費はさらに落ち込み、貧困と格差の拡大にも拍車をかけることに▼「8%になって大変な思いをしているのに10%って、とんでもない」「税金はお金のあるところから取ってほしい」。消費税をなくす会が各地でとりくむ署名活動に寄せられた怒りの声です▼もともと子どもからお年寄りまで生活が苦しい人にも一律に課税する最悪の不公平税制。福祉のためといいながら、今も社会保障は改悪のオンパレードです。そのうえ不祥事続きの財務省からは全世代に痛みを押し付ける、さらなるメニューが出されています▼消費税の導入後、竹下氏は10%にするのに「10年かけちゃいかんなと思っています」と話しています。しかし30年がたとうとしている現在も、達成できていません。そこに国民のたたかいがあるからです。


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