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2018年10月16日(火)

きょうの潮流

 「外国人は日本から出ていけ」―。のどかな日曜日の空気を切り裂くヘイトスピーチ(差別扇動行為)。それに抗して立ち上がる人々の行動が14日、東京や横浜など全国で行われました▼ヘイトを主導しているのは「日本第一党」。「在日特権を許さない市民の会」の元会長が中心です。これまでも在日コリアンらに差別的な言葉の暴力を浴びせてきました。いったいどれだけの人を傷つければ気がすむのか▼2年前、国会でヘイトスピーチ対策法が成立しました。しかし、その後も事態は変わらず、増加しているとの指摘もあります▼政府は、高校無償化から朝鮮学校を排除し、補助金廃止を続けています。元文部科学事務次官の前川喜平氏はこれを「国が率先して行っている官製ヘイトだ」と喝破しています。政権が極右勢力と癒着し、先頭に立ち差別する現実が、これらの人たちを勢いづかせてもいます▼あるスポーツ選手の姿が心にとまりました。7月、サッカーの本田圭佑選手が、在日コリアンの元チームメートと横浜市の朝鮮学校を訪れています。その後のインタビューで、「愛国心とは」と問われ答えていました。「自分の国を家族と思えることが愛国心かなと。ただ問題なのは自分の国しか愛せないこと。それは悲しいことだと思う」。僕は日本人である前に“人”である、とも▼サッカーで海外の人々とつながってきたがゆえの哲学なのかもしれません。出自にかかわらず、互いに尊重しようとのメッセージ。限りない勇気をもらいます。


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