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2018年10月14日(日)

高校教育どう変わる

次期指導要領問題でシンポ

 今年3月に改定され、2022年度から順次実施される高校学習指導要領は高校教育をどう変えようとしているかを考えるシンポジウムが13日、東京都内で行われました。学校現場の教員や教科書関係者、研究者、保護者、市民が一堂に会して04年から開催されてきた「教科書を考えるシンポジウム」の46回目です。

 歴史教育者協議会会員の河合美喜夫さんが「次期高等学校学習指導要領のねらい」と題して報告。教育の目的が「必要な資質」の育成となり、人間の生き方、内心の自由に関わることまで「教育課程の基準」として定めていいのかと問題提起しました。技術革新が進展し、産業が変わり働き方も変わるという「新たな社会像」を描きだし、それに合わせたエリート育成の教育改革だと批判。子どもたちが必要なことを、みんながわかるまで学べるようにすることが必要だと強調しました。

 全国民主主義教育研究会会員の沖村民雄さんが、新科目「公共」の問題点について報告しました。学習指導要領等の「目標」「内容」などについて検証。「公共」は現代社会について認識を深め、平和で民主的な社会をつくっていく主権者を育てるものでなく、系統的な憲法学習や経済学習が大きく後退していると批判しました。強調される「自由・権利と責任・義務」「自国を愛する」「伝統や文化」「法規範の意義」など、小中学校の「道徳」と共通する部分があると指摘しました。

 学習指導要領のねらいや問題点、今後の取り組みなどについて参加者で討論しました。


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