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2018年10月14日(日)

きょうの潮流

 また若い命が絶たれました。16歳の女性の遺族はパワハラや働かせすぎが原因だったと所属していた会社を訴えました。「なぜ、そこまで追い込まれたのか、真実を知りたい」▼今年の3月に自殺した大本萌景(ほのか)さんは松山市を拠点とするアイドルグループの一員でした。農業の魅力を伝えようと結成されたこのグループに入ったのは2年前。実際に農作業をしたり、イベントで農産物を販売したり。1月からはリーダーを務めていました▼未成年にもかかわらず、早朝から深夜まで拘束されて過重な労働を強いられていた。脱退したいと伝えたら「次また寝ぼけた事言いだしたらマジでブン殴る」というメッセージをSNSで送られるなどパワハラ行為を受けた―▼遺族はほかにも、亡くなる前日に代表取締役から電話で「辞めるなら1億円を払え」と言われたと主張しています。会社側はこうした行為はないと否定していますが、弁護団はいくつもの禁止事項や罰金まで科せられていたと▼彼女のように地域で活動するアイドルの世界ではいま、事務所を訴えるケースが相次いでいます。不当な扱いや嫌がらせに対して。そういえば昔のアイドルたちは寝る間もないほどの過密スケジュールでした▼かつては当たり前のように流されてきたことも、いまや通用しない時代に。旧態のなかで苦しみ、いまだ届かない声を救い上げるためにも、パワハラやセクハラとのたたかいを積み重ねていく。その一つ一つが、社会を前に進めることにつながります。


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