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2018年10月1日(月)

ライアンエアー客室乗務員スト

乗客にも共感広がる

欧州6カ国

 【ベルリン=伊藤寿庸】旅客数で欧州最大の格安航空会社ライアンエアーの客室乗務員が28日、6カ国で24時間ストを実施し、賃上げや、強権的な職場環境の改革などを要求しました。同社から不当な扱いを受けてきた乗客の間でも、ストへの理解が広がっています。

 スペイン、ベルギー、オランダ、ポルトガル、イタリア、ドイツの組合が行ったストで、約190便が欠航し3万人の乗客に影響が出ました。

 同社は昨年末に、パイロットや乗務員の労働組合の承認に踏み切りましたが、労組は会社側の交渉姿勢に不満を強めていました。8月にはパイロット組合が最大規模のストを実施しています。

 ドイツの統一サービス産業労組(ベルディ)は、4回の交渉でも十分な提示がなかったとして、賃上げや4年以上の雇用契約、正社員と派遣社員の平等待遇などを要求。これまでのストに対する違法な報復措置にも抗議しました。

 ライアンエアーがストの影響を受けた乗客に補償を行わないことに反発が出ており、「乗客をないがしろにせず、乗員にも十分な賃金を払え」とストへの共感も広がっています。ツイッターには、乗客が機内の通路を回って乗員のために募金を集めている動画もアップされました。

 欧州連合(EU)は法律で、運航日の2週間前以降にキャンセルされた場合、乗客は払い戻しや振り替え便に加えて、短距離便の場合250ユーロ(約3万3000円)の補償を受け取ることができるとしています。6カ国のストで英国発着便も欠航したため、英民間航空局は乗客に補償を行うようライアンエアーに警告しました。


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