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2018年9月19日(水)

きょうの潮流

 いい戦争というものは絶対にない。戦争はすべて人殺し。決してくり返すまい。車いすから立ち上がった93歳の瀬戸内寂聴さんが国会前でそう訴えたのは2015年の6月でした▼若き秘書の瀬尾まなほさんが著した『おちゃめに100歳!寂聴さん』に当時のことがリアルに描かれています。前の年は病で寝たきりだった寂聴さんですが、戦争法案に反対する学生たちの姿を見て「私も行くわ」と▼病気も治ってないのに京都から出かけるなんて、と心配する秘書。しかし、何もしないなんておかしいと強い意志で行動する「先生」の姿に、自分とは関係ないことと思っていた考えがひっくり返ったとつづっています▼老いも若きも集わせ、声をあげさせた安倍政権による戦争法。そこには、日本が戦後70年以上にわたって「戦争をしない国」として歩んできた道を変えるな、若者をふたたび戦場に送るなという意思表示と危機感がありました▼実際、政府が一昨年に派兵期間を延長し、戦争法に基づく新任務を与えた南スーダン自衛隊の状況は危険でした。戦闘行為はなかったと強弁する安倍首相らに対し、隊員は「戦争だった。部隊が全滅すると思った」と証言しています▼戦争法強行から3年。いま政府はそれを適用し、過激派が活発なシナイ半島の多国籍軍に自衛隊員の派遣を検討しているといいます。「戦争する国づくり」の総仕上げとばかり、9条に自衛隊を明記させると意気込む安倍首相。それを止めるのも培ってきた共同の力です。


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