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2018年9月17日(月)

きょうの潮流

 バブルが崩壊した90年代初め、沖縄からひとりの少女が大きな夢を抱いて上京しました。歌って踊ってカッコいい歌手になりたい。それから四半世紀、彼女の音楽と、自分らしさを貫く生き方は人びとを励まし続けました▼惜しまれ、感謝されながら安室奈美恵さんが引退しました。10代から40代まで、それぞれの世代でアルバムは100万枚以上売れ、幅広いファンから長く愛され、支持されてきました▼共感は楽曲や「アムラー」と呼ばれたファッションだけではありません。絶頂期の結婚、出産。そしてシングルマザーへ。みずから選んだ道を前向きにブレずに歩む姿に多くの女性たちが自身の人生を重ねてきました▼「同じ時代にあなたと出会えて幸せでした」「過ごした時間は宝物」。ファンからのメッセージにもあるように、うれしいときやつらいときも、彼女の笑顔と歌はそっとみんなの背を押してくれました▼今年5月に沖縄の県民栄誉賞を翁長知事から受けたとき。「帰ってくるたびに初心に戻してくれるやさしい場所。がんばってきて本当に良かった」と涙ぐみながらふるさとに思いを寄せていました。その翁長知事が亡くなったときには、遺志が受け継がれ、これからも多くの人に愛される沖縄であることを願うと▼あふれる愛と、たくさんの思い出。これまでとちがう道を歩んだとしても“安室奈美恵”は人びとの心のなかに生き続けるでしょう。きみだけのためのヒーロー、どんな日もそばにいるよ。そう語りかけながら。


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