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2018年9月12日(水)

主張

保育所待機児童

深刻な「狭き門」の打開を急げ

 認可保育所(園)などに申し込んでも入れなかった子どもの人数が今年4月時点で1万9895人だったと厚生労働省が発表しました。前年より6186人減少したとはいえ、依然2万人近くが待機児童という実態は深刻です。認可園に入れず自治体独自の事業(東京都の認証保育所等)などを利用している「隠れ待機児」は約7万人にのぼります。認可園はまだまだ「狭き門」というのが現実です。子どもを安心して保育園に預け働きたいという当たり前の願いが、実現できないのは大問題です。認可園大増設と、そのための保育士不足の抜本的打開が急がれます。

要求とのギャップ広がる

 厚労省が7日公表した全国の保育所待機児童数は、4年ぶりに減少に転じたものの、保護者のニーズに保育所の整備が追いつかない状況を浮き彫りにしています。

 認可園などへ利用を申し込んだ人は約6万人増え、271万2359人と過去最多となりました。施設の定員も全体では約10万人増の280万人余りになりましたが、地域ごとでみると、需要と供給がかみ合わないところも多く、待機児童が生まれる結果となっています。都道府県別では、東京が5414人と全国の待機児童の3割弱を占めるなど、都市を中心に矛盾が集中して現れています。

 「特定の施設だけを希望している」「自治体独自の認可外施設を使っている」などの場合は、認可園に入れなくても、待機児童から除外されます。認可外の「企業主導型保育事業」の子どもを含めると、「隠れ待機児童」は7万1300人に達します。認可園の整備の立ち遅れの大きさを示すものです。

 東京都が5月に発表した保育ニーズ実態調査報告書によれば、保護者が利用を希望するサービスの上位は公立認可保育園(51・9%)、私立認可保育園(39・3%)でした。その一方で、利用しているサービスは公立認可園(17%)、私立認可園(21・4%)となっており(複数回答)、希望と利用の間にギャップがあります。

 施設面積や保育士らの配置などについて、安全な保育に不可欠で子どもの発達に必要な「最低基準」を定めている認可園の増設・整備を抜本的に強化すべきです。

 安倍晋三政権は「待機児ゼロ」を掲げますが、当初、実現目標とした2017年度末は放棄し、「20年度末」に先延ばししました。19年10月から3歳以上の保育料の無償化によって、保育所入所希望者がさらに増加すると言われており、このままでは「20年度達成」も困難視されています。しかも安倍政権のやり方は、認可園増設を中心にすえるのでなく、保育士配置基準などを緩和した「企業主導型」の推進です。既存施設の入所人数の枠を広げる“詰め込み”も加速させています。安心・安全の保育を求める国民の願いに逆らい、子どもを危険にさらす「対策」を推し進めることは許されません。

保育士処遇改善が不可欠

 保育所増設のカギを握る保育士の不足は深刻です。全産業平均を月約10万円も下回る賃金の低さ、休息もとれない長時間労働など過酷な労働条件が現場を疲弊させ保育士が職場を去る事態が相次ぎ、保育士不足に拍車をかけています。安定した賃金保障など国が責任をもって保育士の処遇改善を抜本的にはかることが急務です。


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