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2018年9月8日(土)

停電 断水 混乱続く 北海道地震

避難所、食料足りず

ガソリンに長蛇の列

 最大震度7を観測した北海道地震から一夜明けた7日、震源に近い自治体では断水や停電が続いています。震度1以上の地震は100回を超え、住民は避難所などで不自由な生活を送っています。食料やガソリンも不足。急病になっても救急車が呼べずに徒歩で病院にいくなど、生活は混乱を極めたままです。

 震度7の揺れに襲われた厚真(あつま)町。日本共産党の伊藤富志夫町議によると、道路沿いに連なる高さ100メートル前後の山々が半分削られたように崩落。約2キロにわたって土砂崩れが集落や道路をのみ込んでいます。道庁によると町内では死者9人、心肺停止5人、安否不明22人(同日午後4時現在)。重機を使って住民の救出活動が続いています。

 厚真中学校には約100人が避難。食事は1人1個のおにぎりと汁物、飲み物が出る程度です。「電気、水道が止まっている。道路が通行止めで、復旧にはかなりの時間がかかりそうだ」と伊藤議員は窮状を訴えます。

 震度5強を観測した苫小牧市。日本共産党の原啓司市議によると、多くのガソリンスタンドが閉店。開いているスタンドには住民が殺到し、6日は4時間半並んで給油できない事態も。7日は20リットルに制限され、長蛇の列ができています。

 日本共産党の小野寺幸恵苫小牧市議によると、停電で多くの信号が消えたままで、交通事故も起きているといいます。開店中のスーパーは暗くて中に入れず、店頭で注文をうけています。「店が開いても品物がないので食べ物が行き渡っていない」と話します。

 震度6弱を記録した日高町。日本共産党の菊地日出夫町議夫妻によると、あちこちで住宅が傾き、灯油タンクが横倒しになっています。水道、電気は一部で復旧しただけです。

 菊地町議は、地震で玄関ドアが開かなくなった何軒もの高齢者宅に駆け付け、戸を開けました。避難所にいる母親2人から「粉ミルクがない」と相談をうけ調達するなど救援活動に奔走しています。

 新ひだか町では、男性1人が亡くなりました。6日の地震発生と同時に全域が停電。日本共産党の谷園子町議は「住民は家で懐中電灯と電池式ラジオで一晩すごした」と話します。町は保健師が常駐する福祉避難所1カ所を含む4カ所の避難所を開設し一時、117人が避難。7日は電気が復旧し多くの避難者が自宅に戻りました。

 全日本民主医療機関連合会(民医連)に加盟している北海道勤労者医療協会の4病院と18診療所は7日、約半数の施設が通電し診療を再開。停電と断水が続いている施設もあり、震源地に近い苫小牧病院は、自家発電でまかなっています。

 札幌市の勤医協中央病院では、救急車が呼べず歩いてくる急患も。在宅で酸素吸入など医療ケアを受けている患者から「停電で酸素吸入ができなくなる」などの相談が多く寄せられています。来院してもらい充電や入院などの処置をしています。

 道勤医協本部の木村周二総務部長は「病院はほぼ満床。少しでも患者さんの不安を取り除こうと、夜間の職員配備を厚くしています」と話します。


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