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2018年9月5日(水)

生活保護費削減に批判の声

子どもの貧困対策に逆行

 加藤勝信厚生労働相が4日、生活保護費削減を10月から実施すると告示したことに対する批判の声を紹介します。

名古屋市立大准教授 桜井啓太さん

 今回の見直しは2013年に続く大幅な引き下げです。最も引き下がった場合、13年から、15%近く引き下げになる。保障されるべき「健康で文化的な最低限度の生活水準」が侵されることになると危惧しています。

 生活扶助だけでなく、今回は加算の多くも引き下げです。母子加算では最大2割の減額。児童養育加算については、高校生にも拡充したと政府は誇っていますが、3歳未満への支給額は、これまでの1万5千円から1万円へ、5千円も削減されます。子どもの貧困対策にも逆行するものではないでしょうか。

 捕捉率が低い問題を放置したまま、所得の低い一般世帯と比較して扶助基準を引き下げるのでは、経済が停滞し、格差の拡大や貧困世帯が増える状況では、保護基準は下がり続けることになります。

 性急な引き下げではなく、科学的根拠とともに当事者の意見も大事にしながら、あるべき水準を決めていくべきです。

全生連「人権侵害やめよ」 

 厚生労働省が10月からの生活保護基準引き下げと、改悪生活保護法の施行を告示したことを受け、全国生活と健康を守る会連合会(全生連・安形義弘会長)は4日、抗議声明を発表しました。

 全生連は、生活保護基準の引き下げは生活保護利用者に耐えがたい苦しみを押し付け、年金や最低賃金などに連動して国民の最低生活水準(ナショナル・ミニマム)を切り下げるものだとして、撤回を求めてきたと強調しています。

 また法改悪で、生活保護利用者だけに後発医薬品の使用を義務づけ、払いすぎた保護費返還の扱いを月々の保護費から天引きを強制することは、保護利用者の人権を侵害する差別だと指摘。「生活保護基準引き下げと生活保護法改悪を許さず、国民の人権と平和的生存権を守る生活保護制度への改善を求め、全力を挙げる」と決意を述べています。

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